リビルト品の意味とは?修理に使うメリット・デメリットを学ぼう
車の整備や修理が必要になったとき、整備士から「リビルト品」への交換を提案された経験はありませんか。
一般の方にとっては耳馴染みのないリビルト品という言葉ですが、特に整備や部品交換にかかる費用を抑えたいという方にとっては、非常に魅力的な選択肢となり得るのです。
そこで今回はリビルト品とは何か、その意味や特徴、使用のメリットやデメリットに至るまで、大型車・小型車向けの部品を幅広く扱う琴平自動車が紹介していきます。
個人や会社で保有する車の整備費用の削減、またはリビルト品の購入・交換を検討中の方には必見の内容ですので、ぜひお役立てください。
目次
リビルト品とは「オーバーホール済み中古部品」という意味
車のパーツや時計等の機械製品を部品単位まで細かく分解し、再度の組み立て作業を経て新品に近い状態にまで戻す作業のことを、オーバーホールと言います。
リビルト品とは、このオーバーホールを施した車の中古部品やリサイクル部品のこと。
具体的には分解・洗浄・補修・部品検査・再構築・完成検査を実施し、さらに塗装や梱包までして出荷するため、性能も見た目も新品同様となります。
にもかかわらず、新品の純正品より平均で4〜6割、琴平自動車で扱うものでは最大で7割ほど安い価格で購入できるところが、リビルト品最大の特徴です。
関連記事:「純正品と正規品の違いは?交換前に知っておきたい車の部品の基本」
そんなリビルト品を製造する業者としては、リビルト品の製造と販売を主な事業とするリビルトメーカーや中古車の買い取り・中古部品の販売を行なうカーショップ等が挙げられます。
その他、専門の事業部を設けてリビルト品の製造と販売を行なう純正品メーカーもあり、個人でも民間の整備工場やカーショップ、インターネット上のショップ等で購入が可能です。
リビルト品に保証期間はある?
リビルト品の性能検査は、製造する各社がそれぞれ設けた独自の基準に沿って実施されます。
部品の分解・交換時と完成時の最低2回行なわれる検査をパスし、新品同様の性能と認められたリビルト品には、一定の保証期間が付与されるのが一般的です。
具体的な期間は部品の種類や製造会社により異なりますが、6か月から2年が目安でしょう。
リビルト品の「コア返却制度」について
部品交換時にリビルト品を使用する場合の独特の習慣として、コア返却制度があります。
ここで言う「コア」とは、リビルト品と交換して不要になった古い車の部品のこと。
メーカーはリビルト品と引き換えにこのコアを受け取り、オーバーホールしてリビルト品として再生、新たに自社の商品として売り出します。
新品同様の性能であるにも関わらず、リビルト品が新品部品より安価で購入できる背景には、このコア返却制度を前提とした商習慣があるのです。
そのため、リビルト品の購入時には「商品到着より2週間以内にコアを返却すること」など、メーカーからコア返却に関する条件が提示されることも少なくありません。
メーカーからコア返却の条件がある場合は、指定の期間までにコアを送付しないと割増料金が発生することもあるので注意しましょう。
リビルト品と中古品、リンク品の違いとは
リビルト品と混同されやすい部品の種類として、「中古品」と「リンク品」が挙げられます。
以下に中古品とリンク品それぞれの定義と、リビルト品との違いを整理していきましょう。
車の部品における「中古品」とは
中古品とは、廃車など長く利用していた車から取り出された車の部品のことです。
動作確認は行うものの、基本的に洗浄や分解、再塗装等の処置はされず、車から取り出された状態のまま販売します。
車の部品における「リンク品」とは
リンク品とは、純正品が故障したときのために純正メーカーが準備している交換用部品のことです。
中古部品を分解、洗浄し壊れた箇所を整備して作るという点ではリビルト品と同じであり、ショップによってはリビルト品と同義で使われることもあります。
リビルト品はここが違う!
- 車から取り出された後、しっかりとオーバーホールされている
- 性能も見た目も新品同様になるよう、調整と検査が行われている
- 中古品やリンク品よりも壊れにくく、寿命・保証期間ともに長い
車の修理にリビルト品を使うメリットとは
リビルト品とは何か、また似たイメージのある中古品やリンク品との違いも理解できたところで、続いては車の部品をリビルト品と交換することのメリットを紹介します。
車の部品交換が必要になったときにリビルト品を使うメリットは、以下の3つです。
価格が安い
先ほども述べたとおり、リビルト品は未使用の新品部品に比べて非常に安価です。
車の一部部品には定期的な交換やメンテナンスが必要ですが、リビルト品を使えば1回あたりの整備費用が抑えられます。費用削減の面では非常にメリットが大きいでしょう。
関連記事:「車の部品・消耗品の交換時期は?必要な費用の目安と一緒に解説!」
中古部品なのに、新品同様の性能が期待できる
複数回の検査で新品同様の性能であることが確認されているリビルト品は、中古部品の中でも当たり外れが少なく、ずば抜けて高品質だと言われています。
新品より短いながら保証期間もあるため、初めて個人で中古部品を購入する場合も安心です。
資源の有効活用、作業時間の短縮に役立つ
もう使えない部品を取り外し、新品同様になるまで整備して再利用するリビルト品は、廃棄物や資源使用量の削減にも役立つ環境にやさしい部品です。
また、新品のように取り付け前に下処理や付属部品の組み立てをする必要もないため、作業時間の短縮にも一役買ってくれます。
車の修理にリビルト品を使うデメリットとは
費用面や資源、時間の削減において多大なメリットをもたらすリビルト品ですが、当然ながらデメリットもあります。
リビルト品の購入や取り付けを検討している場合は、以下3つのデメリットもしっかり理解しておきましょう。
質と価格にばらつきが大きく、供給が不安定
メーカーにより異なる基準で品質検査をしているリビルト品は、他の部品に比べて品質や価格のばらつきが大きいのも事実です。
また、あくまで廃車や不要な部品から作られる部品であるため、供給量も安定していません。
キレイに見えても、見えない劣化が潜んでいるかもしれない
どれだけしっかり整備しても、中古部品である以上、リビルト品には常に見えない劣化や不良のリスクがつきまといます。
新品のように見えても、寿命や保証期間まで新品同様とはいきませんので、注意が必要です。
不具合が出ても、現品修理までしか対応してもらえない
リビルト品であっても、保証期間内であれば無料または安価でメーカーに修理対応をしてもらえます。
ただし、リビルト品への対応は基本的に「現品修理」までです。購入や取り付けの直後に壊れたからと言って、新品や別のリビルト品に交換してもらえるわけではありません。
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