トラックのインジェクターはどんな役割を担っている?おすすめのメンテナンス法も解説
インジェクターは、トラックのエンジン性能や環境性能に関わる非常に重要な部品です。
そこで今回は、小型車・普通車からトラック等の大型車向けまで、幅広く車用品を取り扱ってきた琴平自動車が、トラックにおけるインジェクターの役割について解説していきます。
また併せて、インジェクターを長持ちさせるためにトラックのドライバーやオーナーができることについても紹介していきますので、個人または法人としてトラックをお持ちの方は、ぜひ参考にご覧ください。
目次
インジェクターとは?トラックでの役割
インジェクターとは、車やバイクのエンジンに適切な量・タイミングで燃料を供給する装置のことです。燃料供給装置や燃料噴射装置とも呼ばれるもので、エンジンに取り込まれた空気の量や温度を計測し、それに合わせた量とタイミングで燃料を噴射する仕組みになっています。
その最大の特徴は、エンジンを制御するコンピュータによって精密に管理されていること。
取り込まれた空気の量や温度の他、気温や気圧、走行状況等まで加味した上で、コンピュータが効率的かつ安定的に走行するのに必要な量、供給タイミングを計算して燃料を噴射します。
なおインジェクターは、扱う燃料の種類や供給方法により、以下の2種類に大別されます。
ポート噴射式 インジェクター |
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気筒内直接噴射式(直噴) インジェクター |
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荷物の運搬を主な用途とし、強いトルクによる発進力・加速力が求められるトラックには、ガソリンエンジンよりもパワフルなディーゼルエンジンが搭載されることが多いです。そのためインジェクターも、ディーゼルエンジン車用の「気筒内直接噴射式(直噴)インジェクター」が搭載されるケースが多いでしょう。
トラックでのインジェクターの役割
インジェクターは、すべての車やバイクにおいてエンジンが効率的に燃焼・作動できるように燃料を供給し続けるという役割を担っていますが、ディーゼルエンジンを搭載するトラックにおいては、環境性能に関わる以下のような役割も果たしています。
- 燃焼温度の過度な上昇や燃料の不完全燃焼を防ぎ、有害物質の発生を抑制する
- 燃料噴射により排気温度を上昇させ、溜まったスス等を燃焼させる(=DPF再生)
ディーゼルエンジンが排出するガスの中には、PM(粒子状物質)やNOx(窒素酸化物)などの有害物質が含まれています。そのため排気が排出される経路上には、これらの有害物質やススを除去するためのDPFやDPD、DPRと呼ばれる浄化装置が取り付けられているのです。
トラックのインジェクターは、単に走行のためだけに機能しているのではなく、燃料の噴射量やタイミングをコントロールすることで、エンジンの環境性能の維持・向上にも大きく貢献しているのです。
【関連記事】トラックのパーツを解説!代表的な部品の名称や設置部位、役割は?
トラックのインジェクターが劣化するとどうなる?
インジェクターは、定期的な交換が必要な消耗品です。交換時期の目安となる10年、または走行距離10万㎞を超えて使用を続けると、インジェクターの劣化が進んでエンジンの燃焼効率が下がり、燃費や環境性能の低下の他、DPFやエンジンそのものの故障を招く恐れもあります。
トラックに以下のような症状が現れている場合は、インジェクターが劣化しエンジンの性能が低下している可能性がありますので、できるだけ早く整備士に点検と交換を依頼しましょう。
- エンジンがかかりにくく、異音やエンストが起こるようになった
- 走行中、アイドリング中に感じるエンジンの振動が以前より大きくなった
- 走行している時にトルクの不足、加速の低下を感じるようになった
- DPFの再生頻度が高くなった、または警告灯が頻繁に点灯するようになった
【関連記事】インジェクターの交換時期・費用の目安は?洗浄など他のお手入れ方法と一緒に紹介
トラックのインジェクターをメンテナンスする方法
長期間トラックを使用すると、エンジンとインジェクターは確実に劣化していきますが、少しでもインジェクターの寿命を延ばすために、ドライバーにできることはないのでしょうか。
そこで以下からは、トラックのインジェクターのメンテナンス法について紹介していきます。
個人や法人として所有するトラックの燃費を維持し、故障による交換費用を抑えたいという方は、ぜひ参考にご覧ください。
インジェクターのメンテナンス法は「洗浄」が基本
インジェクターの劣化は、主に燃料の燃焼時に発生したススやカーボン、ワニス等が噴射口に付着することにより発生します。そのため、定期的にインジェクターを取り外して分解、洗浄すれば、噴射口の詰まりや劣化、故障を防ぐことができるのです。
燃費の維持や故障予防のため、トラックのインジェクターをメンテナンスしたい場合は、専用機材と洗浄剤を所有する業者に頼んで定期的にインジェクターを洗浄するようにしましょう。
なお、専門的な機材と知識、技術を持つ業者にインジェクターの洗浄を依頼するには、一定の費用が必要になります。交換にかかる費用とのバランスも考慮しながら、実施の可否や頻度を検討してみてください。
洗浄が難しい場合は、添加剤の使用も一つの選択肢
インジェクターの詰まりを軽減する方法としては、洗浄効果を持つ燃料添加剤を使うやり方もあります。しかしトラックから取り外して分解・洗浄する場合に比べると、添加剤による洗浄効果は限定的だと言わざるを得ません。
インジェクターを長持ちさせるためにメンテナンスを実施するなら、定期的にトラックから取り外して分解・洗浄することをおすすめします。どうしても洗浄に出すのが難しい場合のみ、燃料添加剤を使ったメンテナンスを行いましょう。
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