純正品と正規品の違いは?交換前に知っておきたい車の部品の基本
個人や会社で保有する車の部品交換に伴い、整備士から「純正品、正規品、優良品のうちどの部品と交換しますか?」と聞かれて違いがわからず、困惑した経験はありませんか。
実は車の部品には製造や入荷、販売のルートの違いにより、いくつかの種類があるのです。
そこで今回は、100社近い取引先から幅広く車の部品を仕入れる琴平自動車が、純正品と正規品それぞれの特徴について、優良品や社外品と呼ばれる部品との違いと一緒に説明していきます。
車の部品交換が必要になったときに慌てずに済むよう、ぜひ最後までご覧ください。
目次
車の部品における「純正品」とは?
一般的に、新車の発売時には自動車メーカーと各部品を製造するメーカーが契約を結び、その新車の規格に合わせたオリジナルの部品を製造します。
各メーカーにて製造された部品は自動車メーカーの工場に集められ、組み立てられて、特約店契約を結んだディーラーから新車として売り出されることになるのです。
車の部品における純正品とは、新車製造時に部品の製造を担当したメーカーが、新車搭載時と同じ規格・品質のままアフターパーツとして製造する部品のこと。
特定の自動車メーカーの車のみ販売・整備対応をするカーディーラーでは、部品交換が必要になった際には、特別な事情がない限り純正品が使用されます。
なおディーラー以外では、純正品を取り扱っている店舗(一部のガソリンスタンドやカー用品店等)でなら、純正品の購入・交換が可能です。
ディーラー以外の整備工場や店舗での整備・修理を希望しているなら、依頼予定の店舗で純正品の取り扱いがあるかどうか、事前に問い合わせておくと良いでしょう。
車の部品における「正規品」とは?
一方で正規品とは、自動車メーカーや純正品の部品メーカーが製造したものを正規の販売代理店、または正規の輸入代理店から仕入れて販売する部品のことです。
ただ近年では代理店を通じて仕入れて販売する以外に、自動車メーカーや純正品メーカーが正規と認めるその他のルートで販売する場合も、正規品と呼ばれるケースがあります。
また、広義では自動車メーカー・純正品メーカーが「自社の規格に正しく則っている」と公認した他社性の部品も正規品とみなし、販売されることもあるようです。
このように、正規品の定義は部品メーカーや店舗により微妙に異なるケースも見られます。
自身で正規品と表記してある部品の購入を検討していて、どの定義に当てはまる部品かわからないという場合は、店舗スタッフや整備士に確認すると良いでしょう。
なお正規品への部品交換を考えている場合は、さまざまなメーカーの部品を扱う民間の整備工場やカーショップに依頼するのがおすすめ。お乗りの車の状態や規格に合った正規品をプロの目で選定、交換対応してくれます。
関連記事:「車の部品・消耗品の交換時期は?必要な費用の目安と一緒に解説!」
純正品と正規品、違いと特徴まとめ
車の部品における純正品と正規品の定義がわかったところで、純正品と正規品それぞれの特徴と違いをまとめ、比較してみましょう。
純正品の特徴
- 新車に搭載されていたものとまったく同じ規格、品質の部品
- その車種、メーカーのための特注品なので、自動車メーカーのロゴが入っている
- メーカー同士の取り決めにより、新車製造から10~15年で生産停止となる(供給期限)
- 他の純正部品との相性、動作性が確認されており、保証期間が長い
- 生産と販売のルートが明確であり、保証期間内なら無償で交換してもらえて安心
純正品最大の特徴は、何と言っても新車同様の規格・品質の部品であるということ。
交換が必要になる度に純正品のパーツに取り替えていけば、利用年数にして13~15年と言われる車の寿命が尽きるまで、新車当時と同じ部品のまま乗り続けることも可能です。
なお純正品への交換は、一般的に10~15年と言われる供給期限(契約上、純正品メーカーが純正品の供給責任を追う期間)が終わっても、在庫がある限りは対応してもらえます。
正規品の特徴
- メーカーが認める正規ルートで販売されているため、偽造品の可能性が極めて低い
- 純正品にかなり近い性能と保証期間、正規販売店でのアフターサービスが見込める
- 純正部品メーカー以外の製造であっても、純正部品との高い相互動作性が見込める
- 純正品に比べ、安価で購入できるケースが多い
- 新車発売から数年後に作られる場合もあるため、純正品より高性能なことがある
正規品最大の魅力は純正品よりも安い価格で入手できるのにも関わらず、他の純正品部品との高い動作性が見込める「本物」の部品であること。
また、純正品製造メーカーに性能を認められた他社製造の正規品である場合は、純正品よりも高い性能・品質へと改良されている場合もあります。
純正品と正規品の違い
ここまでに見てきた純正品と正規品の特徴を踏まえ、価格、性能、保証、査定の4つの項目で両者を比べると、以下のような違いがあると言えるでしょう。
- 価格:純正品に比べ正規品は同程度か、2~3割安い場合がある
- 性能:純正部品メーカーの製造でない場合、後発の正規品の方が高性能な場合がある
- 保証:基本的に純正品の保証期間の方が、正規品の保証期間よりも長く設定されている
- 査定:売りに出す際の査定額は、純正品を使い続けた車の方が高くなる傾向がある
純正品を選ぶメリットとデメリット
続いて、車の部品を純正品へ交換することのメリットとデメリットを整理してみましょう。
純正品を選ぶメリット
- 動作性や品質のチェックが新車同様に行なわれていて安心
- 保証期間が長いため、長期に渡り無料でメーカーサポートが受けられる
- 売却をする際に、他の部品を使うよりも査定額が高くなりやすい
純正品を選ぶデメリット
- 正規品など、他の部品に比べると最も値段が高い
- 供給期限が過ぎて在庫もなくなると、入手が不可能になる
- 新車製造時の規格で作られているため、年数が経つと性能の低さを感じることも
こんなときは純正品がおすすめ!
メリットとデメリットを総合すると、車に対しての愛着やこだわりが比較的強い以下のような方は、純正品への交換が適していると考えられます。
- とにかく愛車を新車同様の状態で保つことにこだわりたい
- 品質検査や仕入れルートが不透明なパーツは、自分の車に装着したくない
- 他の部品では動作性に不安があるので、安心して使える純正品が良い
- 将来的に車を売却する予定なので、少しでも査定額が高くなるようにしたい
正規品を選ぶメリットとデメリット
次に、正規品に交換するメリットとデメリットを整理すると、以下のようになります。
正規品を選ぶメリット
- 製造過程や品質の検査基準、仕入れ、販売のルートがある程度明確
- 純正品に次いで保証期間が長く、正規販売店でのアフターサービスが受けられる
- 純正品と準ずる性能や保証がありながら、価格が安い
正規品を選ぶデメリット
- 純正品に比べると保証期間が短い
- ものによっては、メーカーやディーラーの保証対象外になるリスクがある
- 車を売却する際の査定金額は、純正品を使った車よりも低くなる
こんなときは正規品がおすすめ!
車種やメーカーに対してのこだわりがあまりなく、ブランド力よりも機能性とコスパを重視する以下のような方は、純正品よりも正規品を選択すると良いかもしれません。
- 交換する部品のメーカーやブランドに特にこだわりがない
- 保証期間は短くても良いので、予算内で部品の交換や修理を完了させたい
- 動作性や他の部品との互換性は気になるが、少しでも安い部品が欲しい
- 新車として製造されてから時間が経っており、供給期限が過ぎている
純正品や正規品と「優良品」の違い
純正品や正規品と並び、部品交換の際に提示されることの多い選択肢に優良品があります。
優良品の定義はカーショップや整備工場によって微妙に異なる場合もありますが、ほとんどは以下どちらかの意味合いです。
- 新車製造時に純正部品を製造したメーカーが、アフターパーツとして製造した部品
- 純正品製造メーカー以外の会社が、車種の規格に合わせて作った「社外品」の別名
純正品や正規品との具体的な違いとしては、製造時の規格・品質とメーカーの違い、そして自動車メーカーのロゴがない点が挙げられるでしょう。
優良品は、たとえ純正品を製造したメーカーで作られた部品でも、新車製造時の規格・品質のままとは限りません。
いわば後発品であり、薬で言うところのジェネリック商品である優良品は、純正品の一部機能を改善・向上させて作られることも多いのです。
ただし、優良品であるからと言って必ずしも純正品より性能が良いというわけでもないので、購入時には自身でしっかりと品質を確認しましょう。
そして次に挙げられるのが、製造するメーカーの違い。
社外品の別名として使われることもある優良品という言葉には、基本的に「純正品メーカー以外の他社メーカーが製造した部品」という意味合いも含まれているのです。
このように、新車製造当時の規格・品質に完全に則った造りではないこと、そして基本的に社外品であることから、優良品に自動車メーカーのロゴは印字されません。
なお保証期間に関しては、純正品と同等がそれに準ずるほど長期間であることが多いです。
ただ、純正品でも正規品でもないため、正規販売店でのアフターサービスの対象とはなりません。優良品の購入を検討する場合は、この点もしっかり理解しておきましょう。
純正品、正規品と優良品の価格差は?
純正品、正規品、優良品の価格を比較すると、優良品が最も安価となります。
実際に琴平自動車で販売する車の部品を比較しても、優良品の販売価格が純正品・正規品の半額ほどというケースが少なくありません。
こんなときは優良品がおすすめ!
保証期間の長さや動作性の高さなら純正品・正規品の右に出る部品はありませんが、以下のような方は優良品への交換を検討しても良いでしょう。
- 製造メーカーやブランドは気にしないので、とにかく安くて良い部品が欲しい
- 車自体が古いので、交換部品の保証期間や動作期間がそこまで長くなくてもいい
- 車の部品を交換するにあたり、高価な純正品や正規品以外の選択肢を検討したい
純正品、正規品、優良品など各種部品をご提案します
車の専門知識を持たない人が純正品や正規品、優良品、社外品など製造・販売ルートによる部品の違いを理解し、適切に選択するのは簡単なことではありません。
また事業用として所有する車の修理にあたっては、もともとが中古車である場合や「純正品かどうかはどうでもいいので、とにかく安く整備・修理したい」という事情もあると思います。
私たち琴平自動車は、全国の修理工場や整備工場、ディーラーにさまざまなルーツを持つ部品や工具をお届けする部品卸商であり、地域部品商です。
取り扱う部品の種類は幅広く、純正品や正規品はもちろん、社外品である優良品からリビルト品、自社開発のオリジナル部品までさまざま。
「この予算・用途で部品が欲しい」等の条件を教えていただければ、豊富な選択肢の中から、私たちがお客様にぴったりの部品をご提案いたします。
車のメンテナンスや部品選びでお困りでしたら、ぜひ琴平自動車にお声掛けください。
車の各種パーツ、部品のことなら琴平自動車へ
私たち琴平自動車は、トラックやトラクターなどの大型車から一般の小型車まで、さまざまな車にお使いいただけるパーツ・工具を全国へお届けする部品卸商です。
ディーラーや部品メーカーなど、100社近い仕入れ先様と取引があり、お客様のご予算・ご要望に合わせた適切なパーツのお取り寄せやご提案をさせていただいております!
- 保有する車の性能、用途に合うパーツをできるだけ早く入手したい
- 予算内で修理を完了させられるよう、方法を提案して欲しい
- 社外品やリビルト品も含め、自社の車に合う部品を提案してもらいたい
- 保証期間は短くても良いので、安くて性能の良いパーツを探して欲しい
など、車のパーツ選びや取り寄せについてお悩みなら、ぜひ一度ご相談ください。
純正品はもちろん優良品、リビルト品、社外製品から自社開発の油圧ホースまでご案内できる取扱商品の幅広さを武器に、弊社の担当者がきめ細かく対応いたします。