インジェクターが故障する主な原因は?修理・交換方法と予防のポイントも紹介!

「エンジンの調子が最近なんだかおかしい…」そんなとき、原因はインジェクターの故障かもしれません。
インジェクターは燃料を正確に噴射する重要な部品で、故障すると加速のもたつきや燃費の悪化、エンジンのかかりにくさなど、日常の運転に影響が出てしまいます。
そこで今回は、小型車・普通車からトラック等の大型車向けまで、幅広く車用品を取り扱ってきた琴平自動車が、インジェクターが故障したときに現れる症状や原因、具体的な修理・交換方法、そして故障を未然に防ぐポイントまで詳しく解説します。
車の調子に不安を感じている方はぜひ最後までご覧ください。
目次
インジェクターが故障するとどうなる?
インジェクターは、エンジン内部に燃料を霧状に噴射する重要な部品であり、車の性能や安全性を支える役割を担っています。そのため、故障するとさまざまな不調が現れます。
代表的なのはエンジンの不調です。アクセルを踏んでも加速が鈍くなったり、アイドリングが不安定で振動が大きくなったりします。燃料が十分に噴射されない場合は、エンジンの始動が難しくなり、かかりにくい・途中で止まるといった症状につながることも考えられるでしょう。
また、燃料が均一に燃焼しない状態が続くと排気ガスが増え、マフラーから白煙や黒煙が出ることもあります。これにより、車検に通らなくなる可能性や環境負荷の増大だけでなく、燃費が悪化してガソリン代がかさむ原因にもなってしまうのです。
さらに、こういった不具合を放置するとエンジン内部にカーボンが過剰に溜まり、他の部品にまで悪影響を及ぼす危険性があります。最悪の場合は走行中にエンジンが停止する危険もあるため、「加速が重い」「エンジン音が荒い」といった異変を感じたら早めの点検を行うようにしましょう。
インジェクターが故障する主な原因
インジェクターが故障する背景にはいくつかの原因があります。燃料や汚れによる詰まりから電気系統の不具合まで、代表的な原因を順に解説します。
燃料や汚れによる詰まり
インジェクターが故障する原因として最も多いのが、燃料や汚れによる詰まりです。
インジェクターはエンジンに燃料を細かく霧状に噴射する仕組みですが、燃料タンク内の不純物や経年劣化で発生した錆、カーボンなどが混入すると、噴射口が少しずつ塞がれていきます。
とくに短距離走行を繰り返す車や長期間放置された車では、燃料が劣化して不純物が沈殿しやすく、インジェクター内部に付着しやすくなります。
そして噴射口が詰まると燃料が均一に霧化できず、エンジンがスムーズに燃焼しません。その結果、加速時のもたつきやアイドリングの不安定、エンジンのかかりにくさといったトラブルが起きやすくなるのです。
インジェクターの詰まりは放置すると症状が進行し、エンジン全体にダメージを与える可能性があります。早期の点検や定期的な燃料フィルター交換、必要に応じた洗浄で防ぐことが大切です。
【関連記事】インジェクターの詰まりが引き起こす症状とは?原因と予防策も紹介!
燃料漏れ・シール破損
インジェクターは高圧の燃料を扱うため、シールがわずかに劣化したり破損しただけでも燃料漏れにつながります。
インジェクター本体と燃料ラインの接合部にはOリングやゴム製シールが用いられていますが、長期間の使用や熱による硬化で弾力を失うと、隙間から燃料がにじみ出てしまいます。とくにエンジンルームは常に高温にさらされるため、ゴム部品が劣化しやすい環境といえるでしょう。
こうした燃料漏れは、エンジンの燃焼バランスを崩して出力低下や燃費悪化を招きます。揮発性の高いガソリンが漏れると車内外に臭いが広がり、放置すれば火災のリスクにも直結しかねません。さらに漏れた燃料が周囲の部品に付着すると劣化を早め、インジェクター自体の不具合を引き起こす場合もあります。
燃料漏れは安全性に直結する重大なトラブルです。もしガソリン臭を感じたり、接合部ににじみを見つけた場合は、そのままにせず速やかに整備工場で点検を受けるようにしてください。
電気信号・制御系の不具合
インジェクターは、エンジンの回転数や負荷に応じてECU(エンジンコントロールユニット)からの信号を受け取り、燃料を噴射する仕組みになっています。そのため、電気信号や制御系に不具合が生じると、燃料の噴射量やタイミングが正しく制御されず、エンジンの調子に大きな影響を与えてしまうのです。
たとえば、配線の断線や接触不良、コネクタの腐食などが起きると、インジェクターが作動しなくなったり誤作動を起こすことがあります。また、ECU自体の不具合やセンサーの異常によって、必要な信号がインジェクターに届かず、燃料が過剰または不足して噴射されるケースもあります。
こうした電気系のトラブルは、症状が断続的に現れることが多く、加速時の一時的な息つきやエンジン警告灯の点灯といった形で現れるのが特徴です。見た目では判断が難しいため、診断機を使ったチェックが欠かせません。
電気信号の不具合は小さな不調に見えても、放置すればエンジンに深刻なダメージを与える可能性があるため、早期の点検が重要です。
部品の経年劣化や摩耗・物理的損傷
インジェクターは金属や樹脂など複数の部品から構成されており、長く使ううちに少しずつ摩耗や劣化が進んでいきます。とくに噴射ノズルは常に高圧の燃料が通るため、使用年数が長くなると穴が摩耗して噴霧の形が乱れ、燃料がきれいに霧化されなくなります。その結果、燃焼効率が落ちてパワー不足を感じたり、排気ガスの状態が悪化したりするのです。
さらに、経年劣化だけでなく外的要因による損傷にも注意が必要です。エンジン整備時に誤って本体に傷をつけてしまったり、異物が混入して内部の動作部品を壊してしまうこともあります。また、エンジンルームは振動や高温にさらされるため、長年の使用で小さな亀裂や破損が生じるケースも少なくありません。
こうした摩耗や劣化は避けられないものの、定期的な点検や清掃、そして必要に応じた部品交換を行えば深刻なトラブルを未然に防ぐことができます。インジェクターは消耗品としての側面を持つ部品でもあるため、車の使用年数や走行距離に合わせたメンテナンスを心がけることが大切です。
燃料の質や使用環境
インジェクターの故障は、使用する燃料の質や走行環境によっても大きく左右されます。
まず燃料の質では、低品質な燃料や管理の悪いガソリンを使うと、不純物や水分が混ざりやすく、内部に汚れや錆が発生して詰まりの原因となりかねません。さらに、添加剤が過剰に含まれた燃料を長期間使い続けると、成分が堆積し動作不良を引き起こす恐れがあります。
次に、走行環境もインジェクターの寿命に影響する要因です。渋滞や短距離走行を繰り返すとエンジンが十分に暖まらず、燃料が完全燃焼しにくくなることで、カーボンやススが溜まりやすくなってしまいます。逆に、砂埃の多い地域や湿度の高い場所では、吸気や燃料系に異物や水分が入り込みやすく、インジェクターの劣化を加速させる結果となるでしょう。
こうした影響は日常の使い方によって少しずつ積み重なります。信頼できるスタンドで給油すること、長期間の放置を避けることはもちろん、使用環境に合わせて点検やメンテナンスを行うことが欠かせません。
インジェクター故障時の修理・交換方法

インジェクターに不具合が見つかった場合、状況に応じて洗浄や交換といった対処が必要です。ここでは代表的な修理・交換方法を紹介します。
添加剤による洗浄
インジェクターの軽度な汚れや詰まりであれば、市販の燃料添加剤を使った洗浄も有効な方法です。
燃料タンクに添加剤を注入することで、走行中にインジェクター内部へ薬剤が行き渡り、カーボンやススなどの堆積物を徐々に溶かし落とす仕組みになっています。
添加剤はホームセンターやカー用品店で手軽に購入でき、費用も数千円程度とリーズナブルです。また、インジェクターだけでなく燃料ライン全体の洗浄効果が期待できるため、エンジン全体のコンディション維持にも役立つでしょう。
ただし、詰まりが重度なケースや部品自体の摩耗・破損が原因となっている場合には効果が限定的です。そのため「まずは簡単に試してみたい」という際に向いており、改善が見られない場合は専用機器を使った洗浄や交換といった判断が必要になるでしょう。
専用機器による洗浄
インジェクターの詰まりや汚れが原因で不調が出ている場合、先ほど紹介した添加剤よりもおすすめなのが、整備工場などでできる専用機器を使った洗浄です。
この方法ではインジェクターを車両から取り外し、超音波洗浄機や高圧洗浄装置を用いて内部に付着した汚れやカーボンを除去していきます。交換に比べて費用も抑えられるのがメリットで、数千円から数万円程度で依頼できるケースが一般的です。
ただし、この方法はインジェクター内部の摩耗やシール破損といった物理的な故障には対応できません。もし、洗浄後も症状が改善しなければインジェクターそのものの交換が必要となります。とはいえ、定期的な洗浄は性能維持やトラブル予防につながるため、メンテナンスの一環として取り入れておく価値は十分にあるでしょう。
インジェクター本体の交換
インジェクターが故障している場合や洗浄では改善できない場合は、最終的に交換が必要となります。
たとえば、内部のノズルが摩耗して燃料の噴射が乱れているケースや、シール破損による燃料漏れ、電気系統の故障などは部品の修復が難しく、交換以外に根本的な解決策はありません。
交換作業はエンジンの一部を分解する必要があるため、専門知識と技術を持った整備士に依頼するのが一般的です。
インジェクターは1本単位で交換可能ですが、多気筒エンジンの場合は複数本を同時に交換することが推奨されることもあります。これは、新品と使用済み部品が混在すると噴射バランスが崩れ、エンジン不調が再発するリスクがあるためです。
費用は車種やインジェクターの種類によって大きく異なりますが、1本あたり1〜4万円程度が目安とされます。高額にはなりますが、交換することで燃料噴射の精度が回復し、エンジン性能や燃費が改善されるため、安全性と快適性を取り戻せるでしょう。
インジェクターの故障を予防する方法
インジェクターは燃料供給の要となる部品だからこそ、日頃の予防が大切です。ここでは故障を未然に防ぐための具体的な方法を紹介します。
高品質な燃料を使用する
インジェクターを良好な状態で保つには、日頃から高品質な燃料を使うことが重要です。
燃料の質が悪いと、微細な不純物や水分が混ざりやすく、内部に汚れや錆を発生させる原因となります。その結果、噴射口が詰まりやすくなり、燃料の霧化が不十分になってエンジン性能の低下や燃費悪化につながる恐れがあるのです。
とくに長期間保管された燃料や、品質管理が不十分なスタンドで給油した燃料は劣化が進んでいる可能性が高く、トラブルのリスクを上げてしまいかねません。日常的に利用するガソリンスタンドは信頼できる店舗を選ぶのが安心です。
また、燃料の種類ではハイオクガソリンがおすすめで、一般的に清浄剤が添加されているためインジェクター内部の汚れ付着を抑える効果が期待できます。
このように良質な燃料を選ぶ習慣は、インジェクターの寿命を延ばすだけでなく、エンジン全体の健康を守ることにもつながるでしょう。
定期的に燃料フィルターを交換する
インジェクターを良好な状態で維持するためには、燃料フィルターの定期交換が欠かせません。燃料フィルターは、ガソリンや軽油に含まれる不純物やゴミ、水分を取り除く役割を担っており、インジェクターに異物が流れ込むのを防ぐ重要なパーツです。
交換を怠るとフィルターが目詰まりし、燃料の流れが悪くなることで燃圧が安定せず、インジェクターに負担がかかります。その結果、燃料の噴射不良や始動不良、アイドリングの不安定といった症状につながりかねません。
一般的には2〜3万キロごとの交換が目安とされていますが、使用する燃料の品質や走行環境によって寿命は変わります。とくに短距離走行が多い場合や古い車両では、早めの交換が安心です。ディーラーや整備工場での点検時に状態を確認してもらうと、適切な交換タイミングを判断しやすいでしょう。
このように、燃料フィルターを定期的に交換することで、インジェクターだけでなく燃料ポンプやエンジン全体の負担を軽減でき、長期的な車のコンディション維持につながります。
車を長期間放置しない
車を長期間動かさずに放置すると、インジェクターにトラブルが起きやすくなります。
なぜなら燃料は時間とともに酸化・劣化し、ネバネバした「スラッジ」と呼ばれる汚れが発生するからです。これがインジェクター内部に付着すると、噴射口が詰まったり、噴射パターンが乱れたりして、燃焼効率が低下し、エンジンの調子が悪くなってしまうのです。
また、車を動かさない間に燃料タンク内で水分が結露するとサビや腐食が生じるリスクもあり、これらの異物が燃料ラインを通じてインジェクターに到達すれば、故障の原因にもなりかねません。
こうしたトラブルを防ぐには、定期的にエンジンをかけて走行させ、燃料を循環させることが大切です。月に1回程度でも車を動かせば、燃料の劣化や堆積物の発生をある程度抑えられるでしょう。長期的に使用しない場合は、燃料添加剤を使ってガソリンの劣化を防ぐ方法も効果的です。
適度に走行させることで、インジェクターの詰まりや劣化を未然に防ぎ、安定したエンジン性能を保つことができます。こうしたひと手間が、長く安心して車を使うためのポイントです。
定期点検と早期メンテナンスを行う
インジェクターの故障を未然に防ぐには、定期点検と早期メンテナンスが欠かせません。
インジェクターは普段目に見えない部品ですが、燃費の悪化やエンジンのかかりにくさ、加速時のもたつきといった小さな変化が不具合のサインとなることがあります。これらを放置すると汚れや摩耗が進み、修理では対応できず交換が必要になるケースも少なくありません。
定期点検では、燃料ラインやフィルターの状態を確認するとともに、専用機器でインジェクターの噴射状態を測定することが可能です。異常が早期に発見できれば、洗浄や部品交換といった軽いメンテナンスで済むため、コストも大幅に抑えられます。
また、車検や法定点検に加え、日頃からエンジン音や走行フィーリングに注意を払い、違和感を感じたらすぐに整備工場に相談することが大切です。
このように小さな兆候を見逃さず、早めに対処することが、インジェクターを長持ちさせる最善の方法といえるでしょう。
【関連記事】車の重要部品「インジェクター」の点検方法を紹介!DIYでの点検の可否やリスクとは
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