自動車業界におけるSDGsへの取り組みとは?環境・技術・社会の3つの視点から解説!

近年、世界的にSDGsへの関心が高まるなか、自動車業界でも持続可能な社会を目指す大きな変革が進んでいます。
電気自動車(EV)やハイブリッド車の開発、省エネ製造、リサイクルの推進など、各企業が地球環境と共存するための挑戦を続けているのです。
本記事では、自動車業界がどのようにSDGsの17の目標に貢献しているのかを、環境・技術・社会の3つの視点から解説します。さらに、私たち琴平自動車が取り組むSDGsへの事例も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
SDGsとは?自動車業界との関わりを整理しよう
まずは、SDGsの基本的な内容と、自動車業界がどのように関わっているのかを整理しましょう。
SDGs(持続可能な開発目標)の概要
SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、2015年に国連で選定された国際的な目標です。2030年までに、貧困・教育・ジェンダー平等・気候変動など、地球規模の課題を解決し、誰もが安心して暮らせる社会を実現することを目的としています。
SDGsは、全部で17の目標と169のターゲットで構成されており、「環境」「社会」「経済」という3つの側面を包括的にカバーしています。環境問題の解決だけでなく、働きがいや産業の発展、まちづくりなど、多様なテーマが含まれているのが特徴です。
実は、自動車業界においても、エネルギー利用の効率化やCO₂排出削減といった環境対策はもちろん、技術革新や安全な交通社会づくりなど、多くのSDGs目標と深く関わっています。
それでは次に、なぜ自動車産業がSDGsと深く関わるのか、その理由を詳しく見ていきましょう。
自動車産業がSDGsと深く関係する理由
自動車産業は、私たちの生活や経済活動を支える欠かせない存在です。通勤や買い物、旅行など、毎日の暮らしのあらゆる場面で役立っています。
しかしその一方で、環境や社会にも大きな影響を与えていることをご存じでしょうか。だからこそ、自動車産業はSDGs(持続可能な開発目標)を考えるうえで、とても重要な役割を担っているのです。
まず、環境の面から見てみましょう。自動車は多くのエネルギーを消費し、CO₂をはじめとする温室効果ガスをたくさん排出しています。
実は、日本全体のCO₂排出量のうち、運輸部門(自動車・鉄道・船舶・航空機)が約2割を占めていて、その中でもおよそ9割が自動車によるものです。こうした数字を見ると、環境への影響の大きさがよく分かるのではないでしょうか。
次に、社会面も見てみましょう。自動車は、交通インフラや都市計画といった私たちの生活そのものと深く結びついており、通勤や通学、物流など、社会を動かす大切な手段です。それと同時に、交通事故の防止や高齢者の移動支援、渋滞の解消など、いくつもの社会的な課題にも関わっています。
さらに、自動車は「つくる・使う・捨てる」という製品ライフサイクル全体で、資源の使い方や働く人の環境にも配慮しなければなりません。
こうした背景から、自動車産業はSDGsのいくつもの目標に関わっていて、同時に取り組まなければならない課題がたくさんあることがわかります。
自動車業界が注力している主なSDGs目標
自動車業界は、SDGsの17の目標のうち、特に環境保全や技術革新、持続可能な社会づくりに関連する複数の目標に注力しています。ここでは、業界全体で特に力を入れている5つの目標を紹介します。
- SDGs:目標7「クリーンエネルギーの普及」
- すべての人が手頃で安定した持続可能なエネルギーを使えるようにすることを目指しています。
- SDGs:目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」
- 持続可能な産業化を進め、イノベーションを促すことを掲げています。
- SDGs:目標11「住み続けられるまちづくりを」
- 都市や居住地を安全で持続可能な場所にすることを目指しています。
- SDGs:目標12「つくる責任 つかう責任」
- 持続可能な生産と消費のバランスを保つことを目指しています。
- SDGs:目標13「気候変動に具体的な対策を」
- 地球の気温上昇を産業革命前より2℃未満に抑え、さらに1.5℃を目指すことを目的としています。自動車業界にとって、まさに最重要課題の一つです。
これらの目標に対して、自動車業界では具体的にどのような取り組みが行われているのでしょうか。詳しい事例は次項で説明します。
自動車業界におけるSDGsへの取り組み事例

ここからは、自動車業界が実際にどのような取り組みを行っているのか、環境・社会・経済の3つの側面から具体的な事例を見ていきます。各分野の具体的な動きや傾向を整理して理解しましょう。
環境面の取り組み(SDGs目標7・13など)
自動車業界では、環境への取り組みとして主にCO₂排出の削減とクリーンエネルギーの活用が進められています。
なかでも注目を集めているのが、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)といった次世代の車です。これらの車は、従来のガソリン車に比べて走行中のCO₂排出量を大幅に減らすことができます。
特にEVは走行時の排出ガスがゼロであり、充電に再生可能エネルギーを使えば、ライフサイクル全体で環境への負荷を大きく減らすことができます。
また、製造工程でも変化が進んでいます。太陽光や風力といった再生可能エネルギーを工場に取り入れる動きが広がり、一部のメーカーでは工場全体のカーボンニュートラル化を目指す取り組みも始まっています。
つまり、「つくる過程からクリーンに」という考え方が、業界全体に広がっているのです。
社会面の取り組み(SDGs目標8・9・11など)
自動車業界では、社会面でもさまざまな取り組みが進められています。その中心にあるのが、「安全性の向上」と「移動の自由を支えるサービスの充実」です。
まず、安全技術の分野では、自動運転技術や先進運転支援システム(ADAS)の開発が急速に進んでいます。例えば、自動ブレーキや車線維持支援、死角検知システムなどの技術があり、これらは、交通事故を減らすうえで大きな効果を上げているのです。
他にも、完全自動運転の実現に向けた研究も進められており、将来的には人的ミスによる事故をほぼゼロにできる日もそう遠くないかもしれません。
また、高齢化が進む中で、誰もが安心して移動できる社会づくりも重要なテーマです。例えば、バリアフリー車両の開発や、乗り降りを助けるサポート技術が続々と登場しています。交通手段が限られる過疎地域では、オンデマンド交通やコミュニティバスなど、地域に寄り添った移動サービスの導入も広がっています。
一方、都市部では「MaaS(Mobility as a Service)」と呼ばれる次世代の交通システムが注目されています。これは電車・バス・タクシー・カーシェアなど複数の交通手段を、ひとつのアプリで検索・予約・決済できる仕組みで、渋滞の緩和や移動の効率化に大きく貢献しています。
こうした取り組みを通して、自動車業界は「安全で、誰もが自由に移動できる社会」の実現を目指しているのです。
経済面の取り組み(SDGs目標12など)
自動車業界では、経済面でも「持続可能な生産体制の構築」と「資源の循環利用」が大きなテーマになっています。
まず注目したいのは、サプライチェーン全体(原材料の調達から製造、在庫管理、物流、販売を経て消費者の手に届くまでの一連の流れ)の見直しです。自動車に必要な原材料の調達から製造、流通、販売までのあらゆる段階で、環境への負荷や社会的責任を意識した取り組みが進められています。
特に、紛争鉱物の排除や児童労働の防止など、人権に配慮した調達基準を定める企業が増えてきました。また、サプライヤー(自動車部品メーカー・仕入業者・ベンダーなど)にも環境基準の遵守を求めるなど、業界全体でサステナブルな仕組みづくりが進行しています。
次に、資源循環(リサイクル)の取り組みも重要です。使用済み自動車から回収した金属やプラスチックを再利用する動きが広がり、廃棄物の削減と新たな資源採掘の抑制に貢献しています。さらに、リサイクル素材を積極的に活用することで、サーキュラーエコノミー(循環型経済)の実現を目指すメーカーも増えています。
そして、忘れてはならないのが働く人の環境づくりです。働きがいのある職場、適正な賃金、安全で健康的な労働環境の整備といった取り組みが進んでいます。従業員が安心して働ける職場をつくることは、企業の社会的信頼を高めるだけでなく、長期的な成長や競争力の向上にもつながっているのです。
こうした取り組みは、SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」と直結しており、持続可能な生産と消費の実現に向けた自動車業界の努力を示していることが分かるでしょう。
SDGs推進における今後の課題

自動車業界ではSDGsに向けた多くの取り組みが進められていますが、一方で課題も浮き彫りになっています。最後に、資源・コスト・人材・地域格差などの具体的な課題を整理します。
課題1. 電池資源の確保とリサイクル課題
- 目標7「クリーンエネルギーの普及」
- 目標12「つくる責任 つかう責任」
- 目標13「気候変動に具体的な対策を」
電気自動車(EV)の普及が進むなかで、欠かせない存在となっているのが「リチウムイオン電池」です。その電池に使われるリチウム、コバルト、ニッケルといったレアメタル(希少金属)の確保が、いま大きな課題となっています。
これらの資源は、特定の国や地域に集中しており、供給が不安定になりやすいのが現状です。特にコバルトは、採掘現場での労働環境や人権問題がたびたび指摘されており、「倫理的な調達」が世界的なテーマになっています。
さらに、EV需要の急増に伴い資源価格が高騰し、車両価格を押し上げる要因になっていることも見過ごせません。
もうひとつの課題が、使用済み電池のリサイクルです。現在のリサイクル率はまだ十分とは言えず、大量に廃棄される電池の処理が追いついていません。そのため、電池に含まれる有害物質の安全な処理や、レアメタルを効率的に回収する技術の確立が急がれているのです。
課題2. コスト面・インフラ整備の遅れ
- 目標7「クリーンエネルギーの普及」
- 目標13「気候変動に具体的な対策を」
自動車業界がSDGsの推進に取り組むうえで、コストの高さとインフラ整備の遅れも大きな課題です。
電気自動車(EV)や水素自動車の製造には、高性能バッテリーや先端素材といった高度な技術が欠かせません。その分、製造コストは従来のガソリン車よりも高くなりやすく、販売価格にも影響しています。これが、消費者が購入をためらう一因となり、普及のスピードを鈍らせているのです。
さらに、インフラの整備状況にも課題があります。都市部では充電スタンドや水素ステーションが徐々に増えているものの、地方や郊外ではまだ十分とはいえず、「充電できる場所が少ない」「水素を補給できる場所がない」といった声も少なくありません。
また、マンションやアパートなどの集合住宅では充電設備の設置が難しく、さらに充電時間が長いことも普及を妨げる要因になっています。
こうした課題を乗り越えるためには、自動車メーカーだけでなく政府や自治体、インフラ企業などが一体となって取り組む必要があり、EV社会の実現は社会全体の協力によって支えていかなければならないのです。
課題3. 労働環境・人材育成
- 目標8「働きがいも経済成長も」
- 目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」
自動車業界ではいま、電動化や自動運転技術の急速な進展により、これまでとは異なるスキルや知識を持つ人材が求められています。
従来の自動車製造では、エンジンやトランスミッションといった機械工学が中心でした。しかし、EV(電気自動車)や自動運転車の開発では、電気・電子工学、ソフトウェア開発、AI(人工知能)や機械学習など、よりデジタル分野に強い専門知識が欠かせません。
ところが、これらのスキルを持つ人材はIT業界など他分野でも需要が高く、採用競争が激化しているのです。そのため、自動車メーカー各社では、既存の従業員を対象としたリスキリング(学び直し)やアップスキリング(能力向上)に力を入れ始めていますが、研修体制の整備には時間とコストがかかるため、すぐに成果を出すのは容易ではないでしょう。
一方で、技術革新に伴う労働環境の変化も課題です。生産ラインの自動化が進む一方で、新たな技術に対応できない労働者の雇用不安や、同一企業での職種変更の難しさが指摘されています。
さらに、長時間労働や過重労働といった従来からの問題も残されており、「働きがいのある職場」を実現するには継続的な改善が欠かせません。
課題4. 地域格差・環境基準の違
- 目標7「クリーンエネルギーの普及」
- 目標13「気候変動に具体的な対策を」
自動車業界がSDGsの推進を進めるうえで、各国・地域の環境規制や市場環境の違いにどう対応するかも大きな課題です。
先進国では厳しい環境規制が導入され、EVへの移行やCO₂排出削減が急速に進んでいます。例えば欧州連合(EU)では、2035年以降にガソリン車・ディーゼル車の新車販売を禁止する方針が決定されており、中国でも「新エネルギー車(NEV)」の普及を促進する政策が取られています。
一方で、発展途上国では経済成長や雇用の確保が優先され、環境規制がまだ緩やかな国も少なくありません。そのため、依然として従来型のガソリン車が主流となっている地域も多く、国や地域によって環境対応のスピードに大きな差が生じています。
こうした地域格差により、自動車メーカーは市場ごとに異なる車種や技術を開発・供給する必要があり、開発コストの増大や生産体制の複雑化を招いています。さらに、各国で異なる安全基準や認証制度に対応することも、グローバル展開を進めるうえでの大きな壁となっているのです。
持続可能なモビリティ社会を世界規模で実現するためには、国際的な協調と、各国の事情に合わせた段階的なアプローチが不可欠です。
グローバルな視点と地域ごとの現実を両立させることこそ、自動車業界がSDGsを実現するための大きな鍵と言えるでしょう。
琴平自動車もSDGsに取り組んでいます!事例をご紹介

琴平自動車は、持続可能な社会の実現に向けて、SDGsの目標7・8・9・12・13に焦点を当てた取り組みを推進しています。
- 目標7・13「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」「気候変動に具体的な対策を」への取り組み
- 当社では、インジェクター洗浄サービスを積極的に展開しており、これまで1,000個以上のインジェクターを洗浄してきました。インジェクターは燃料を噴射する重要部品ですが、新品に交換するのではなく洗浄・リビルトすることで、製造時のエネルギー消費とCO₂排出を大幅に削減できます。また、洗浄後のインジェクターは燃料噴射性能が回復するため、車両の燃費向上にもつながり、走行時のCO₂削減にも貢献しています。リビルト品の活用は、資源の有効活用と環境負荷低減を同時に実現する取り組みです。
- 目標8「働きがいも経済成長も」への取り組み
- 琴平自動車は、働きがいのある職場づくりに注力しています。社員一人ひとりがやりがいを持って業務に取り組める環境を整備し、社員の定着率向上とエンゲージメント向上を目指しています。具体的には、キャリア開発支援や評価制度の透明化、コミュニケーション機会の充実などを通じて、社員が安心して長く働ける職場環境を実現しています。働きがいのある企業文化の醸成により、サービス品質の向上と顧客満足度の向上にもつながっています。
- 目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」への取り組み
- 当社では、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進による業務効率化と働きやすさの向上に取り組んでいます。従来は紙ベースで行っていた業務をデジタル化し、業務プロセスの仕組み化を進めることで、作業時間の短縮やヒューマンエラーの削減を実現しています。また、デジタル技術の活用により、社員がより創造的な業務に集中できる環境を整備し、労働環境の改善と生産性向上の両立を図っています。技術革新を積極的に取り入れることで、持続可能な事業運営を目指しています。
- 目標12「つくる責任 つかう責任」への取り組み
- 琴平自動車は、3R(リデュース・リユース・リサイクル)に注力し、環境保護と持続可能な消費・生産を支えています。部品のリビルトや再利用を推進することで廃棄物を削減し、資源の循環利用を実践しています。また、適切な整備・メンテナンスサービスの提供により、車両の長寿命化をサポートし、お客様にとっても環境にとっても価値ある選択肢を提供しています。地域の自動車ユーザーとともに、持続可能な社会づくりに貢献してまいります。
琴平自動車は今後も、地域に根ざした企業として、SDGsの達成に向けた取り組みを継続し、持続可能なモビリティ社会の実現に貢献してまいります。
車の各種パーツ、部品のことなら琴平自動車へ

私たち琴平自動車は、トラックやトラクターなどの大型車から一般の小型車まで、さまざまな車にお使いいただけるパーツ・工具を全国へお届けする部品卸商です。
ディーラーや部品メーカーなど、100社近い仕入れ先様と取引があり、お客様のご予算・ご要望に合わせた適切なパーツのお取り寄せやご提案をさせていただいております!
- 保有する車の性能、用途に合うパーツをできるだけ早く入手したい
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- 保証期間は短くても良いので、安くて性能の良いパーツを探して欲しい
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