カーバッテリーを長期保管するには?放置することのリスクや劣化を防ぐ方法も解説
海外旅行や出張、入院等の必要が出てきた場合、1か月以上車に乗れないこともあるでしょう。
そこで今回は、小型・普通車向けからトラック等の大型車向けに至るまで、幅広く車のパーツを扱う琴平自動車が、カーバッテリーを放置することのリスクや長期保管する方法を解説。
既に使用中のものの他、取り付け前のカーバッテリーを長期保管したい場合についても紹介しますので、カーバッテリーの保管方法についてお悩みの方は、ぜひ参考にご覧ください。
目次
カーバッテリーを長期保管、放置することのリスク
長期保管の方法を紹介する前に、まずは、カーバッテリーを長期に渡って使用せず、放置することのリスクについて理解していきましょう。
カーバッテリーは、走行中にエンジンの回転を利用して得た電力を溜めておく蓄電池です。
長期間に渡って車を使用しないということは、カーバッテリーを全く充電しないまま、内部に蓄えた電力をゆっくり消費していくことを意味します。
そのため、何の対策も取らずに車とカーバッテリーを放置していると、1か月ほどですべての電力が放出され「バッテリー上がり」を起こしてしまうでしょう。
バッテリー上がりとは、カーバッテリーの蓄電力不足が原因で車を動かせなくなることです。
一度でもバッテリー上がりを起こしたカーバッテリーは、その性能が著しく低下する上、たとえメーカーの保証期間内であっても保証の対象にはならず、交換する必要が出てきます。
なお、カーバッテリーを長期間放置することによるバッテリー上がりや交換のリスクは、充電制御車向けの種類に限った話ではありません。アイドリングストップ車やハイブリッド車の補機用バッテリー、一部の大型トラック用バッテリーにも当てはまる話です。
カーバッテリーを使える状態で長期保管したい場合は、バッテリー上がりを起こさないように対策する必要があると覚えておきましょう。
関連記事:「カーバッテリーの充電に必要な時間は?目安と注意点を方法別に解説」
車を放置した時に起こる他のトラブル
カーバッテリーだけでなく、車ごと長期間に渡って放置した場合には、バッテリー上がり以外にも以下のようなトラブルが発生することがあります。
- 空気圧が減少したことによるタイヤの変形、バースト
- 入ったままだったガソリンの酸化や腐敗、外部への漏出
- ガソリンの漏出や風雨による車体の損傷
- エンジンオイルの劣化による燃費の悪化
- サイドブレーキの固着 等
いずれも、車を長期保管する際に忘れてはならないリスクですので、併せて覚えておくと良いでしょう。
カーバッテリーを長期保管するための方法と対策
カーバッテリーを長期保管するには、バッテリー上がりを予防しなければなりません。
つまり、完全に放電されてしまうのを避け、カーバッテリー内部にある程度の電力が残る状態を保つ必要があるのです。
そこで、以下からはカーバッテリーを使える状態のまま長期保管する方法として、取るべき3つの対策を見ていきましょう。
定期的に車を走らせ、カーバッテリーを充電する
カーバッテリーを劣化させずに長期保管するには、まず、定期的なカーバッテリーへの充電が必要です。
もし、ご自身の車の管理を頼める方がいるなら、以下の頻度・速度・時間を目安に定期的に車を動かし、充電してもらうのが良いでしょう。
- 頻度は、最低でも一週間に一度
- 速度は、時速50㎞を目安に
- 時間は、一回あたり30分~1時間
ただし、所有者以外の方が車を運転し、万が一事故を起こしてしまうと、保険の対象外となることもあります。
ご自身が加入する保険の補償内容を確認の上、必要に応じて見直しをしてから、管理と運転を依頼してください。
カーバッテリーから車への電力供給を止める
続いて紹介するのは、カーバッテリーの放電速度を抑え、長期保管しやすくする方法です。
カーバッテリーは、自然放電に加えて以下のような電装品の稼働や機能の維持・保護のために駐車中も電力を供給し続けています。
- カーナビや時計、オーディオ
- エンジンの稼働を制御するためのエンジンコントロールユニット(ECU)
- 盗難防止センサーやドライブレコーダー 等
しかし、バッテリー上がりを防ぎ、カーバッテリーを長期保管するには極限まで電力の消費量を抑える必要があります。
そこでおすすめしたいのが、以下いずれかの方法で車への電力供給をストップする方法です。
- カーバッテリーの「-端子」を外す
- カーバッテリーを車から取り外す
カーバッテリーから車への電力供給は、スパナで直下のナットと一緒に-端子を外す他、つまみを回すだけでオン・オフを切り替えられるターミナルを設置すれば、簡単に止められます。
車への電力供給を止めれば、自然放電によってのみ電力が消費されるようになるため、バッテリー上がりの防止に役立つでしょう。
ディーラーや整備士に適切な保管方法について相談する
カーバッテリーの最適な保管方法は、車の種類や性能、普段の使用環境や保管したい期間等の条件によっても変わってきます。
そのため、少しでも良い状態で長期保管したいのなら、車を購入したディーラーや中古車ショップ、行きつけの整備工場等へ適切な保管方法について相談するのがベストでしょう。
誰かに車の管理を頼んだり、ご自身でカーバッテリーの接続遮断や本体の取り外し作業をするのが難しい場合は、迷わず整備士に相談してください。
カーバッテリーの接続を外し、長期保管する時の注意点
カーバッテリーから車への電力供給を止めるということは、機能やデータの維持・更新に電気を必要とするすべての電装品が、故障や初期化の危機にさらされるということでもあります。
例えば、常にデータを更新し続けているカーナビやドライブレコーダー、学習機能を持ったECUやパワーウィンドウ等はリセットされ、過去の記録や設定が消失するかもしれません。
特に、比較的新しく、電装品を多用する車種の場合は、一度カーバッテリーからの電力供給を止めると、次に車を動かす時に再設定が必要になることもあるため注意が必要です。
また、-端子を外す際に誤って+端子と接触させてしまうと、カーバッテリーがショートする恐れもあります。カーバッテリーの接続を絶つことのリスクの一つとして、覚えておきましょう。
関連記事:「カーバッテリーの交換時期を解説!寿命の目安や長持ちさせる方法は?」
取り付け前のカーバッテリーは長期保管できる?
一般的に、新品のカーバッテリーは工場で100%充電された状態で出荷されます。しかし、出荷後は自然放電が始まるため、車に取り付けていなくても蓄電量は少しずつ減っていくのです。
そのため、たとえ未使用品のカーバッテリーであっても、長期保管はおすすめできません。
新品のカーバッテリーを車に取り付けずに長期保管できる期限は、1年が目安と考えましょう。
1年以上放置したカーバッテリーは、自然放電が進み、車への取り付け前にバッテリー上がりを起こす可能性も考えられます。
新しくカーバッテリーを購入するときは、長期保管することを前提とせず、交換予定の直前に購入して早めに取り付け、使用するようにしてください。
もし、少しでも良い状態で長期保管をしたいという場合は、年間を通して気温が10~30度以内に保たれる室内で保管することをおすすめします。
関連記事:「カーバッテリーの選び方を紹介!性能やサイズ・種類を決める上での注意点は?」
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