車のOBDに外部機器を接続してできることとは?メリットや注意点もまとめて紹介
OBD(On-Board Diagnostics)とは、車の各種装置を電子制御するコンピューター(ECU)に搭載された車載式故障診断装置のことです。日本で使用されている車のほとんどにこのOBD、またOBDと外部機器を接続するためのOBDコネクターが搭載されています。
それでは、どのような場合に車のOBDと外部機器を接続する必要が出てくるのでしょうか。
そこで今回は、小型・普通車からトラック等の大型車向けまで、車用品を幅広く取り扱ってきた琴平自動車が、OBDと外部機器の接続が必要になるケースについて、接続するメリットや接続時の注意点と併せて解説していきます。
目次
OBDとは?装置の概要や種類について
まずはOBDとは何か、どのような装置なのかについて大まかに理解していきましょう。
冒頭でも述べたように、OBDは車載式の故障診断装置の名称です。ECUを監視し、車両に何らかの不具合が起きた際には自己診断と故障コードの記録をした上でエンジンパネルの警告灯などを点灯させ、ドライバーに異常や危険を知らせる役割を担っています。
種類としては、大きく初期型モデルであるOBD1、第二世代であるOBD2の2種類があり、それぞれ以下のように異なります。
OBD1とは
OBDの初期型、第一世代に当たるモデルです。メーカーによってコネクターの形状や接続可能なケーブルの種類、故障の診断基準、読みだせる故障コードの桁数や表示方法等が異なるのが特徴です。
OBD2とは
OBD1をバージョンアップさせた第二世代モデルが、OBD2です。バージョンアップ時に一部の海外製車種を除いて規格の世界標準化が行われたため、OBD1ではバラバラだったコネクターの形状や接続可能なケーブルの種類、故障の診断基準、故障コードの桁数や表示方法などの仕様も、OBD2では統一されています。
なお2024年現在、主流として車に搭載されているのはOBD2であるため、ほとんどの車種の運転席下部には共通のOBDコネクターが設置されています。
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車のOBDに外部機器を接続するのはどんな時?
車載式故障診断装置であるOBDに、コネクターを介して外部機器を接続するケースとしては、大きく以下の2つのパターンが考えられるでしょう。
- OBD点検やOBD車検、故障診断のためスキャンツールを接続する際
- 有線、または無線でのOBD接続に対応するカー用品を取り付ける際
1に関しては、警告灯が点灯するなどの異常が発生してカーオーナー自身が簡易的な故障診断機を使用する場合の他、2021年10月からすべてのOBD搭載車種に義務化されたOBD点検、または2024年10月から一部の車種を対象に義務化されたOBD車検を実施する場合が挙げられます。
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対して2は、OBDから得られる情報を視覚化して活用することを目的に、OBD接続に対応したメーターやレーダー探知機等を取り付けるというケースです。
OBDには、故障履歴以外にも燃料コストやガソリン消費量、冷却水の温度変化など、さまざまなデータが記録されています。そのため、より詳細に車の状態を把握したいという方や、車のメーターパネルの表示方法やレイアウトを自分好みに変えたいという方が、DIYでOBD接続に対応したカー用品を取り付けることがあるのです。
車のOBDに外部機器を接続することのメリット
ここからはOBDとスキャンツール、カー用品を接続することでドライバーが得られるメリットについて説明していきます。OBDと外部機器を接続する主なメリットは、以下の通りです。
- 目視では発見しにくいシステム面の異常、トラブルの有無を簡単にチェックできる
- 複雑な配線作業なしで、愛車の状態を詳細に、リアルタイムで把握できるようになる
- もともと搭載されているものよりも見やすい、わかりやすいパネルを後付けできる
近年では運転支援技術や自動運転技術が進歩し、車に搭載されることが当たり前になってきていますが、これらの機能に異常や不具合が発生すると重大な事故につながる恐れがあります。
そのようなことが起こる前に、OBD接続で手軽にシステムの状態を確認して整備・修理対応ができるのは、すべてのドライバーにとって非常に大きなメリットだと言えるでしょう。
また、本来であれば専門的な知識や複雑な配線が必要になる「車から複数の情報を取得する」という作業を、コネクターにケーブルやアダプターを差し込むだけで完了できるところも、OBD接続の大きな魅力です。
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OBDコネクターに外部機器を接続するデメリットは?
一方で、OBD接続を行うことのデメリットとしては、以下の2点が挙げられるでしょう。
- OBD2は常時電源で電力を消費し続けるため、バッテリー上がりのリスクが高くなる
- 車検や点検の際は、接続しているカー用品やアダプターを事前に外す手間が発生する
現在主流として使われているOBD2は、基本的に常時電源で稼働する仕組みになっています。
エンジンを切っても電源がオフにならず、駐車中もバッテリーに溜まった電力を消費し続けるため、普段あまり動かさない車にOBD接続の外部機器をつけたままにしていると、バッテリー上がりを引き起こす恐れが高いのです。
また、点検や車検の際にはOBDコネクターを使用するため、普段接続しているカー用品やアダプターは事前に外しておかなければなりません。このような手間が発生することも、OBD接続を活用することによるデメリットの一つとして、覚えておきましょう。
OBD接続によるデメリットを避けるためにできること
最後に、OBD接続を利用する上でのデメリットを回避するためにできる対策、またOBD接続を行う上での注意点について紹介していきます。個人、または法人で所有する車のOBDにカー用品等を接続したいと考えている場合は、ぜひ参考にご覧ください。
【対策1】こまめに車を動かし、バッテリーに蓄電しておく
OBD接続による電力消費やバッテリー上がりへの対策としては、普段からこまめに車を動かすよう癖づけることが挙げられます。具体的には、1週間に1回を目安に時速50㎞以上の速度で最低でも30分、できれば1時間以上車を走行させて、バッテリーを充電すると良いでしょう。
なお、走行せずアイドリングしてエンジンを動かすだけでもバッテリーの充電は可能ですが、十分に蓄電するには走行時のおよそ2倍の時間がかかるとされています。効率的にバッテリーを充電したいなら、普段の外出や通勤などに車を使うようにして、定期的に走行させましょう。
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【対策2】キー連動によるオン・オフ機能がある商品を選ぶ
OBD接続に対応するカー用品の中には、エンジンを停止した際に、一緒に電源をオフにできる種類もあります。頻繁に車を動かすのは難しいけど、バッテリー上がりを気にせずにOBD接続を楽しみたいという場合は、OBD接続対応品の中から、キー連動によるオン・オフ機能を備えたものを選択すると良いでしょう。
ただし、電源のオン・オフが可能なOBD接続対応品の中には、各センサーへ配線を行わなければOBDに接続できないものもあります。そのような商品を購入する場合は、バッテリー上がりのリスクが低減される一方で、OBD接続ならではの手軽さは失われるため注意が必要です。
なお、キー連動によるオン・オフ機能を備えたOBD接続対応品を見分けるポイントとしては、以下の2点が挙げられます。OBDに接続するカー用品を購入する前に、ご確認くださいね。
- 商品概要、商品説明欄に「電源のオン・オフ機能がある」という記載があるか
- 商品レビューに「バッテリーが上がってしまった」という口コミが多数ないか
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