エンジンオイルの量はいつ確認する?タイミングや正しい手順を解説
車のエンジンオイルの量や状態を適正に保つことは、エンジンと車へのダメージの軽減や長寿命化につながりますが、具体的にはどのくらいの頻度で確認・交換すればよいのでしょうか。
今回は小型・普通車向けからトラック等の大型車向けに至るまで、さまざまな車の部品を扱う私たち琴平自動車が、エンジンオイル量の確認・交換のタイミングについて解説します。
併せて、必要なエンジンオイル量の車種別の目安や過不足があった場合のリスク、具体的なオイル量の確認手順まで紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
エンジンオイルの量を確認すべきタイミングとは?
車のエンジンオイルは、一定の走行距離または使用期間のどちらかに達したタイミングで、その量や状態を確認し、交換することが推奨されています。
なお、エンジンオイルの交換に適した車種別のタイミング目安は、それぞれ以下の通りです。
エンジンオイル量の確認・交換が必要になる走行距離の目安
- 小型の普通車の場合 :5,000~15,000㎞
- 小型(2t)トラックの場合 :10,000~20,000㎞
- 中型(4t)トラックの場合 :15,000~30,000㎞
- 大型(10t)トラックの場合:20,000~40,000㎞
エンジンオイル量の確認・交換が必要になる使用期間の目安
- 小型の普通車の場合 :半年~1年ごと
- 小型(2t)トラックの場合 :1年ごと
- 中型(4t)トラックの場合 :1年ごと
- 大型(10t)トラックの場合:1年ごと
安全のため、最低でも上記頻度でのエンジンオイルの点検と交換は必ず実施してください。
対して、エンジンオイルの量を確認すべきタイミングについては、特に決まりがありません。
ただ、エンジンオイルの異常やエンジントラブルの発見にこまめな点検が有効であることを考えると、車を使うタイミングで毎回オイルの量を確認するのが望ましいでしょう。
関連記事:「車の部品・消耗品の交換時期は?必要な費用の目安と一緒に解説!」
エンジンオイル量の確認手順と適切なタイミング
車を使うたびにエンジンオイルの量を確認すべきと言われると、少し面倒に感じますよね。
しかし、具体的な手順と適切なタイミングさえ知っておけば、エンジンオイル量の確認作業はそれほど手間ではありません。
そこで、以下からはエンジンオイルの量を確認するための具体的な手順と適切なタイミングを、注意点と一緒に紹介していきます。
エンジンオイルの量を確認する手順
- 平坦な場所に車を停めて、エンジンオイルを水平な状態にする
- 軍手をしてボンネットを開け、オイルレベルゲージを引き抜く
- オイルレベルゲージに付着したエンジンオイルをウエスやキッチンペーパー等、汚れても良い布や紙で拭き取り、一旦戻す
- 再びオイルレベルゲージをまっすぐ引き抜き、付着したオイルの位置を確認する
- オイルレベルゲージに付けられた2つの印の間にエンジンオイルが付着していれば、適正量が入っている状態。問題ないので、そのままゲージを戻す
- オイルレベルゲージの2つの印のうち、下の印よりも低い位置にオイルが付着していれば少なすぎ、上の印を超えてオイルが付着している場合は量が多すぎる状態
なお、オイルレベルゲージの印は線や丸印、または下側に「LOW」を示す「L」が、上側に「HIGH」を表す「H」や「FULL」の「F」が刻印されている等、車種により異なります。
はじめはお乗りの車の取り扱い説明書を読み、器具の場所や見た目を確認しながら、エンジンオイルの量を確認すると良いでしょう。
エンジンオイル量の確認に適した、2つのタイミング
エンジンオイルの量を確認するのに適しているのは、以下いずれかのタイミングです。
- エンジンを完全に停止させてから5~10分後
- エンジンを動かす前、朝一番のタイミング
エンジン下部のオイルパンに格納されているエンジンオイルは、エンジンが動くとポンプで吸い上げられ、重力で落ちてオイルパンに戻り、走行する限りエンジン内で循環を続けます。
エンジンを停止させるとエンジンオイルの循環も止まりますが、吸い上げられたオイルがオイルパンに戻るまでには、ある程度の時間が必要です。
オイルパンにエンジンオイルが十分に戻り、オイルレベルが上がって正確な量を確認できるようになるのが、1の「エンジンを完全に停止させてから5~10分後」というわけですね
一方、2のタイミングでは、エンジンが停止してからひと晩(数時間以上)が経過したことで、エンジン内のほぼすべてのエンジンオイルがオイルパンに戻ってきています。
熱によって膨張したものの、しっかりと量が戻っていない1のエンジンオイル量と、冷えて体積が圧縮され、ほぼ全量が戻った2のオイル量は、おおよそ同等になることが確認されています。
そのため水平な場所で、正しい手順で行なうのであれば、1と2のどちらのタイミングでエンジンオイルの量を確認しても問題ありません。
あなたにとって都合の良いタイミングで、エンジンオイル量を確認する習慣を付けましょう。
エンジンオイル量の確認タイミングは統一して!
こまめな点検を習慣づけるためにも、エンジンオイルの量を確認するタイミングはエンジンの始動前と停止後、どちらかに統一するのがおすすめです。
なお気温が氷点下を下回る厳寒期には、エンジンオイルの体積が極端に小さくなり、実際よりもエンジンオイルの量が少なく見えることがあります。
季節や時間帯による気温差が大きい地域では、エンジンの始動前ではなく停止後にエンジンオイルの量を確認するよう習慣づけた方がいいかもしれません。
エンジンオイル量を確認・交換する回数は、多くても良い
日本において一般的な走行距離5,000~15,000㎞、使用期間にして半年に1回ペースでのエンジンオイルの交換は、諸外国に比べ頻回すぎるという意見もあります。
しかし、エンジンオイル量の確認や交換の回数において、多すぎるということはありません。
頻繁にエンジンオイルを確認・交換することによる車への負荷はありませんし、以下のようなシビアコンディションでの走行が多い日本の車には、むしろ適したペースと言えるでしょう。
特にエンジンオイル量の確認が必要な「シビアコンディション」の例
- 高速道路を使った長距離移動等、高速走行することが多い
- 通勤や買い物のため、走行時間30分以内のちょい乗りをすることが多い
- 水気や傾斜の多い道や高温多湿な場所等、過酷な環境下での使用が多い
関連記事:「エンジンオイルの劣化をどう判断する?基準と交換時期の見極め方」
エンジンオイル量が多すぎ・少なすぎると起こること
エンジンオイルは、規定量より多すぎても少なすぎてもエンジントラブルを引き起こします。
ここからは、車に規定量よりも多くエンジンオイルを入れている場合、そして規定量よりも少なくエンジンオイルを入れている場合に想定されるリスクを、それぞれ見ていきましょう。
エンジンオイルの量が多すぎる場合のリスク
オイルパンにエンジンオイルを入れすぎると、エンジン内部の空間や部品が圧迫されるため、以下のようなエンジントラブルの原因となります。
- エンジンオイル液面と衝突することによる、部品の変形や破損
- エンジンオイルが漏れ出し、燃焼することによるマフラーからの白煙
- エンジン内の空気圧縮がうまくいかなくなり、燃費が悪化する
エンジンオイルの量が少なすぎる場合のリスク
対して、規定量よりも少ない量のエンジンオイルしか搭載していないときに起こり得るエンジントラブルは、以下の通りです。
- 油膜がなくなり、エンジン内の部品がぶつかることによる異音
- エンジン内の部品同士が摩耗することによる異常な発熱
- ゴムが焼けたような臭いを伴うエンジンの焼き付き
- エンスト
なお、既に上記のような症状が現れている場合には、エンジンオイルの過不足が原因でエンジントラブルが発生していると考えられます。
事故につながるような重大な故障へ発展する前に、早急に対処する必要があります。
エンジンオイル量の過不足が確認された場合の対処法
ここからは、エンジンオイルの量の過不足、またこれによるエンジントラブルの兆候が見られた場合に有効な対処法を紹介していきます。
エンジンオイルの量が多いことによるトラブルへの対処法は?
エンジンオイルの量が多すぎるときは、適正量になるまでオイルを抜き出してください。
具体的には、オイル注入口にオイルチェンジャーを挿入する「上抜き」という手法でエンジンオイルを抜き取るのがおすすめです。
他にエンジントラブルの兆候がなく、適正量までオイルが減ったことを確認できたら、そのまましばらく様子を見ると良いでしょう。
ただし、以下のような場合にはエンジンオイルに水分が混入する「乳化」等、別のトラブルが潜んでいる可能性が考えられます。
- 前回の交換から期間が空いているのに、エンジンオイルの量が増えている
- 少し前に抜き取ったにもかかわらず、再びエンジンオイルの量が増えている
- エンジンオイルの増量に加え、オイルの白濁や乳白色の堆積物が見られる
その場合は、エンジンオイルやエンジン部品の交換等の整備・修理が必要になるので、整備工場やカーショップに車を持ち込み、整備士に見てもらいましょう。
関連記事:「エンジンオイルの乳化を解説!原因と予防対策、発生後の対処法は?」
エンジンオイルの量が少ないことによるトラブルへの対処法は?
エンジンオイルの量が少なすぎる場合には、オイルの全量交換が必要になります。
できるだけ早くカーショップや整備工場に車を持ち込み、整備士に交換を依頼しましょう。
なお、すぐに整備士のもとへ車を持っていけない場合は、応急処置として使用中のものと同じ粘度のエンジンオイルを規定量まで注ぎ足す、という方法もあります。
ただし、基本的にエンジンオイルの注ぎ足しはNG行為であり、オイルの劣化や汚れを解消できるわけでもありません。
また度重なるエンジンオイルの減少には、エンジン内のクリアランスが広がってオイル粘度が合わなくなっていたり、オイル漏れしている可能性も考えられます。
愛車に長く乗り続けるためにも、早めに整備士によるメンテナンスを受けてくださいね。
関連記事:「エンジンオイルの粘度は上げるべき?目的や選び方、注意点を解説」
車種別:適切なエンジンオイル量の目安
最後に、車の大きさ別に交換時に必要となるエンジンオイル量の目安を一覧でご紹介します。
エンジンオイルを交換する際や、新しく購入するオイルを選ぶときの参考にしてください。
- 小型の普通車の場合 :2.5~5リットル
- 小型(2t)トラックの場合 :8~10リットル
- 中型(4t)トラックの場合 :12~15リットル
- 大型(10t)トラックの場合:28~38リットル
関連記事:「エンジンオイルの粘度指数とは?言葉の意味と粘度表記の読み解き方」
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