トラックのパーツを解説!代表的な部品の名称や設置部位、役割は?
人ではなく荷物をより多く、安全に運ぶことを目的に作られるトラックには、一般的な乗用車に使われないパーツもたくさん取り付けられています。
そのため、たとえ仕事で乗る機会があったとしても、トラックに使われているパーツや部位の名称まで知っているという方は少ないのではないでしょうか。
そこで今回はトラックなど、大型車に使われるパーツの取り寄せや自社での油圧ホースの開発と製作、車輌管理まで行なう琴平自動車が、トラックパーツの名称を部位ごとに解説します。
できるだけわかりやすく説明していきますので、自社が保有するトラックにトラブルが起きた際に慌てなくて済むよう、ぜひ最後までご覧ください。
目次
トラックのパーツは大きく「トラクタ」と「トレーラー」の2つ
たくさんのパーツを組み合わせて作られるトラックですが、1台を構成するパーツは大きく「トラクタ」と「トレーラー」の2つに分けることができます。
トラクタ=運転席やエンジンが搭載されたトラック前方のパーツ
トラックのうち、運転席があり人が乗ることのできる前方部分がトラクタです。
ここには主に運転席や助手席、ダッシュボードやエンジンなど車としての走行に必要なパーツが搭載されていますが、一般乗用車にはないトラック特有のパーツも設置されています。
関連記事:「車を構成するパーツとは?代表的な部品の名称・役割を一覧で紹介!」
トレーラー=運搬する荷物を積み込む荷台、トラック後方のパーツ
トラックの後ろ半分、大量の荷物を運ぶために設置された荷台のパーツがトレーラーです。
トレーラーにはさまざまな形状があり、その見た目と特徴によって大きく「平ボディ」「バンボディ」「ウイングボディ」の3種類に分けられています。
トラクタとトレーラーは、簡単に切り離せる!
大量の物資を搭載できる大型トラックへの荷物の積み下ろしには、大変な時間と労力がかかります。そのため、荷台だけを付け替えてしまえば荷物の積み下ろしが済むよう、トラックのトラクタとトレーラーは簡単に切り離せる構造になっているのです。
さて、トラックを構成する2つの大きなパーツの名称と役割がわかったところで、次はトラクタとトレーラー、それぞれを構成するパーツを順に学んでいきましょう。
トラックのトラクタ:外装・内装の各パーツと名称
まずトラクタの外装・内装を構成する7つの部位とパーツの名称、役割をそれぞれ紹介します。
- キャブ
- エアデフレクター
- ステップ・グリップ
- ダッシュボード
- メータークラスター
- グローブボックス
- コンソールボックス
キャブ
キャビンとも呼ばれるパーツで、座席のあるスペースのことです。
運転席と助手席に加え、長距離運転に備えて後方に仮眠用ベッドが設置されたフルキャブやワイドキャブの他、追加の座席が設置されたダブルキャブと呼ばれるものもあります。
エアデフレクター
キャブの上に設置された流線形のパーツです。
走行中の空気抵抗を減らして燃費を良くすること、そしてトラック全体のデザイン性を高めることを目的に設置されています。尚、このエアデフレクターは、一般的な乗用車には設置されません。
ステップ・グリップ
車高の高いトラックに、安全に乗り降りするために設置されるパーツです。
ステップが乗降時に足を乗せるパーツ、グリップが体を支える手すりのことで、アシストグリップとも呼ばれています。
ダッシュボード
運転席から助手席にかけてキャブの前方に広がるパーツのことです。ハンドルやメーター類、オーディオユニットなどがまとめて収まる部位で、インストルメントパネルとも呼ばれます。
メータークラスター
ダッシュボードに収まっている計器類一式をまとめた、パネルの名称です。具体的にはスピードメーターやタコメーターなどがまとめられており、簡単に取り外しや交換ができます。
グローブボックス
ダッシュボードのうち、助手席側に設置された収納スペースです。蓋つきであるのが一般的で、もともとは手袋を入れるためのパーツであったことから、この名称で呼ばれています。
コンソールボックス
運転席と助手席を隔てるパーツの名称です。一般的にはドリンクホルダーやアームレストをはじめ、ちょっとした小物を収納するための部位として設置・活用されています。
トラックのトラクタ:エンジン・駆動系の各パーツと名称
続いて、トラクタに設置されているエンジン・駆動系の8つのパーツの名称と役割を見ていきましょう。
- 吸気ダクト
- トランスミッション
- ラジエータ・クーラント
- 燃料タンク
- 排気システム
- フレーム
- エアタンク
- 車両突入防止装置
吸気ダクト
常にエンジンに新鮮な空気を送り届け、トラックの安全な走行を助けてくれるパーツです。
空気を吸い込む際の抵抗や音を抑えるよう、キャブの後ろ側に取り付けられていることが多く、異物や水を取り除くためのフィルターは定期的に交換しなければなりません。
トランスミッション
エンジンの動力を車軸へ伝えるためのパーツです。いわゆる変速装置のことであり、クラッチやシフトレバーを操作することで、道路状況に合わせたトルクでの走行が可能になります。
ラジエータ・クーラント
いずれも、エンジンが発する熱を冷却するためのパーツです。エンジン内を循環して熱を吸収する冷却液がクーラント、その冷却液を外部からの風で冷やす部位がラジエータです。
燃料タンク
軽油など、トラックが走行するための燃料を入れておくパーツ。一般的な乗用車とは異なり、雨風にさらされる車体外部に設置されるため、そのほとんどが耐久性の高い金属製です。
排気システム
エンジンで発生する排気ガスを、外へ出すための部位。具体的にはガス内の汚れを除去するための触媒と、静かに排気するためのサイレンサーをつなげた管状のパーツからできています。
フレーム
エンジン、トランスミッション、タイヤなど、トラックの駆動系・足回りのパーツが組み込まれた部位のこと。トラックにとっての屋台骨にあたる、非常に重要なパーツです。
エアタンク
外部から取り入れた空気を溜めておくためのパーツ。ブレーキやトランスミッションの使用にあたっては、このエアタンクに溜めておいた空気を圧縮して使用します。
車両突入防止装置
トラックの後方に設置されている金属製の箱です。リヤバンパーとも呼ばれます。
後方から乗用車が接触するなどの事故が起きた際にトラック本体への衝撃を和らげるとともに、乗用車がトラックの下へ入り込んでしまうのを防ぐ役割があります。
トラックのトレーラー:共通のパーツと名称
ここからはトラックの荷台部分、トレーラーに使われる共通のパーツの名称と役割を紹介します。
先述したように、トレーラーには大きく「平ボディ」「バンボディ」「ウイングボディ」の3種類があります。その形状や役割はそれぞれ異なりますが、3種類すべてに共通する部位としては根太(ねだ)と床板、サイドガードが挙げられるでしょう。
根太
トラックの荷台床下に取り付けられたトレーラーを支える部位です。木・鉄・アルミのいずれかの材質の縦根太と横根太を組み合わせて作られ、この上に床板を張って荷台を作ります。
床板
トラック荷台部分の床となる板材です。一般的には根太の上に設置されますが、荷台の耐久性を上げるために合板や鉄板などの床下(ゆかした)を入れてから、張られることもあります。
サイドガード
荷台の下、燃料タンクやバッテリーの周辺に設置される柵状のパーツです。動力や駆動系パーツの保護の他、事故時には車体側面からの乗用車や歩行者の巻き込み防止にも役立ちます。
なお、トラックの荷台に設置されている残りのパーツの種類や名称、役割は、荷台のタイプによって変わってきます。
以降は平ボディ・バンボディ・ウイングボディの種類別にトラックの荷台部分に取り付けられているパーツを紹介しますので、一つずつ順に確認していきましょう。
平ボディ:トラック荷台のパーツの名称
荷台部分に屋根がなく、上部が解放されているトラックを「平ボディ」と呼びます。
屋根がないために高さのあるもの、特殊な形状のものを運びやすいところがメリットですが、雨や風など悪天候に弱く、荷物が落下しやすいところはデメリットと言えるでしょう。
そんな平ボディのトレーラーを構成する、以下4つの部位の名称や役割をご説明します。
- 鳥居部
- フロントフェンダ・リアフェンダ
- タイヤキャリア
- あおり
鳥居部
荷台の前方、キャブとの境目あたりに設置されるパーツです。ロードレストストッパーとも呼ばれる部位で、長尺な荷物を運ぶ際にはここに立てかけて積載します。
フロントフェンダ・リアフェンダ
フェンダとは、走行時にタイヤが跳ね上げる泥等を除けるためのパーツのこと。フロントフェンダは前輪に、リアフェンダは後輪にそれぞれ取り付けられるフェンダを指しています。
タイヤキャリア
スペアタイヤホルダーとも呼ばれる、予備タイヤを取り付けておくためのパーツです。一般的には荷台の下部に、チェーンブロックで吊り下げる形でタイヤを設置します。
あおり
荷台の側面、後面に取り付けられている板状、または柵状のパーツです。数十㎝ほどの高さがあって走行中の荷物の落下を防ぐ他、開放すれば、荷物の積み下ろし作業が楽になります。
バンボディ:トラック荷台のパーツの名称
四方を壁に覆われた箱型のトレーラーを持つトラックを「バンボディ」と呼びます。
多くはアルミ製の箱を搭載しており、雨風や直射日光による荷物の破損や、衝撃による落下の心配が極端に少ないのが強みです。
またバンボディには、冷たいものをある程度保温した状態で運べる「保冷車」や、生鮮品などの運搬に欠かせない冷凍・冷蔵機能を備えた「冷凍冷蔵車」もあります。
バンボディのトレーラーを構成するパーツとしては、以下の5種類が挙げられるでしょう。
- ジョロダレール
- サイドパネル
- リヤドア
- リヤドアフレーム
- サイドドア
ジョロダレール
荷物の積み下ろしを楽にするために、荷台の床に取り付けられるレールのことです。バンボディのなかでも、特に大きな貨物を運ぶ大型トラックの荷台には積極的に取り付けられます。
サイドパネル
荷台側面の壁となる大きな板状のパーツです。木材とアルミ製の板材が使われる場合が多く、ここに断熱材を挟み込めばある程度の保冷性能が獲得できます。
リヤドア
荷台後方に取り付けられた扉のこと。荷物の積み下ろしのために設置されている部位で、バンボディでは基本的にこのリヤドアから荷物の出し入れを行ないます。
積み下ろし時に幅を取らないため、路肩での作業が多い配送車の荷台にも設置されています。
リヤドアフレーム
リヤドアを構成するパーツの一つ。扉を収めるフレームのことで、ここが歪むとリヤドア全体が歪み、うまく開閉できなくなることがあります。
サイドドア
荷台側面の壁に取り付けられた扉です。一般的に、バンボディのトラックでは荷台後方にだけ扉があり、すべての荷物をリヤドアから出し入れする必要があります。
しかし、サイドドアがあるタイプのバンボディであれば、後方のスペースに限りがある場合でも、荷台側面からの荷物の積み下ろしが可能になります。
ウイングボディ:トラック荷台のパーツの名称
荷台の側面全体が上下に動いて開閉するトラックを「ウイングボディ」と呼びます。荷台の両側面が開放された状態が鳥の羽のように見えることから、こう呼ばれるようになりました。
ウイングボディのトレーラーに設置される代表的なパーツには、以下の3つが挙げられます。
- ウイングサイドパネル
- 側あおり
- リヤドア
ウイングサイドパネル
ウイングボディのトラックを象徴する荷台両側面の扉のこと。バンボディのサイドパネルに当たる部分が大きく開閉するため、フォークリフトなどを使った荷物の積み下ろしも、楽に短時間で行なえます。
荷物の積み下ろし、運搬の両方において非常に便利なトレーラーですが、扉の開放を油圧機構で行うため、どうしても車両そのものの重量が重くなってしまいます。そのため、他のタイプに比べて積載可能な荷物の量が少なくなるのは、デメリットと言えるでしょう。
側あおり
荷台の側面に取り付けられている板状のパーツのこと。平ボディに取り付けられているあおりと基本的には同じものですが、ウイングボディには後面への取り付けはありません。
リヤドア
荷台後方に取り付けられたドアパーツで、基本的にはバンボディのリヤドアと同じ構造です。
側面が完全に開放されるほど大きくサイドパネルが開くウイングボディですが、十分なスペースがない場合にはリヤドアから荷物の積み下ろしが行なわれる場合もあります。
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