オルタネーターのリビルト品の寿命は?延命の秘訣と交換時期の目安
車の重要部品であるオルタネーターの価格は、他の消耗部品に比べて高く設定されています。
そのためオルタネーターの交換が必要になった際には、新品より安価な「リビルト品」が有力な選択肢となりますが、寿命はどのくらいなのでしょうか。
今回は小型車・普通車からトラック等の大型車向けまで、リビルト品を含む車の部品を幅広く扱う琴平自動車が、オルタネーターのリビルト品の寿命について解説します。
併せてオルタネーターのリビルト品の寿命を延ばすためにできることや縮める要因となること、交換時期の見極め方についても紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
オルタネーターの仕組みと新品の寿命
オルタネーターのリビルト品の寿命をご紹介する前に、まずはオルタネーターがどのように動いているのか、そして新品の場合の寿命を理解していきましょう。
オルタネーターは、直流発電機の「ダイナモ」に代わって車に搭載されるようになった発電・整流装置で、交流発電機と呼ばれる部品です。
プーリーやベルト、その軸受であるベアリング、スリップリングや金属製のブラシ等の部品から構成されており、端的に表すと以下のような仕組みで働いています。
- 走行中エンジンの回転で発生した動力が、プーリーを通じてオルタネーターへ伝わる
- その動力によってオルタネーター内部のローターとスリップリングが回転、磁束の変化が生じる
- スリップリングとブラシの摩擦がコイルに電力を供給し、交流電流の電力が発生
- 発生した電力はレクチファイア(整流器)によって交流電流から直流電流に変換され、蓄電のためバッテリーに送られる
オルタネーターはエンジンと一緒に正常稼働さえできれば、半永久的に電力を生み出せます。
エンジンの始動時をはじめ、ライトやオーディオ、カーナビ、ドライブレコーダー等を搭載して大量の電気を消費する現代の車にとって、オルタネーターは欠かせないパーツなのです。
新品オルタネーターの寿命は10年、または10万㎞
一般的に新品のオルタネーターに不具合が出てくるのは、新車が車としての寿命を迎える利用年数10年、または走行距離10万㎞を超えたタイミングだと言われています。
ブラシが摩耗して部品の交換が必要になったり、エンジン周りの他のパーツが壊れるなどしない限りは、上記の期間・走行距離が新品オルタネーターの寿命と考えてよいでしょう。
関連記事:「純正品と正規品の違いは?交換前に知っておきたい車の部品の基本」
オルタネーターのリビルト品の寿命はどのくらい?
対して、オルタネーターのリビルト品には、どのくらいの寿命が期待できるのでしょうか。
リビルト品とは、不要になった中古部品に徹底したオーバーホールと検査を施し、見た目・性能とも新品同様にした部品のことです。
そのためオルタネーターのリビルト品も、基本的には新品のオルタネーターと同様に利用年数10年、または走行距離が10万㎞を超えるまでが寿命だと考えて差し支えありません。
一方で、リビルト品の性能はメーカー各社が独自に設けた基準に沿って検査されているため、品質には多少のばらつきがあります。
また、しっかりオーバーホールを施しても目に見えない傷や劣化箇所が残ることはあるため、新品に比べ初期不良のリスクが高いのも事実です。
部品交換にかかる費用を抑えるためにオルタネーターをリビルト品と換えようとしているなら、値段相応のリスクがあることは理解しておいたほうがいいでしょう。
オルタネーターのリビルト品の寿命は、保証期間が目安になる
オルタネーターのリビルト品の寿命を予測するとき、目安の一つとなるのが保証期間です。
通常、中古部品に保証期間はありませんが、単なる整備ではなくオーバーホールを施して製造するリビルト品には、一定の保証期間が付与されています。
リビルト品の保証期間は、製造メーカーが「自然故障や不具合が起きる可能性が非常に低く、起きても現品修理まで対応する」と定める期間のこと。
つまり、製造メーカーが考える「そのリビルト品の最低保証寿命」とも言い換えられます。
オルタネーターのリビルト品を購入する際には、各メーカーが定める保証期間を最低寿命と考え、判断材料にしてもいいかもしれませんね。
なお、リビルト品の保証期間は部品の種類やメーカーによって異なりますが、6か月~2年が目安です。
琴平自動車で取り扱うオルタネーターのリビルト品の保証期間を例に挙げると、小型車・普通車向け、トラック等の大型車向けともに利用年数1年、または走行距離1万㎞となっています。
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オルタネーターのリビルト品、寿命を縮める4つの要因
最低でも保証期間内、長ければ新品同様の寿命が見込めるオルタネーターのリビルト品ですが、使用環境によってはすぐに壊れてしまうこともあります。
特に以下に挙げる水、熱、バッテリーの劣化、砂やほこりによる不具合はオルタネーターのリビルト品の寿命を縮める代表的な要因ですから、注意が必要です。
オルタネーターの寿命を縮める要因①熱によるオーバーヒート
エンジンに組み付けられ、その動力を電力に変換しているオルタネーターは、常にエンジンの発する高温にさらされ続けています。
そのため、外気温と比例してエンジンルームがより高温になる夏には、オルタネーターの故障も発生しやすくなるのです。
オルタネーターの寿命を縮める要因②内部への水の侵入
以下のような水の多い環境で車を使用すると、オルタネーター内部のレギュレーターという部品に水がかかってしまうことがあります。
- 大雨等で冠水した道路を走行する
- 水たまりを勢いよく、大きく巻き上げる
レギュレーターが水に濡れるとショートを起こし、正常な発電ができなくなってしまいます。
オルタネーターの寿命を縮める要因③砂やほこりの堆積
冒頭でも述べたように、オルタネーターは金属製のブラシとスリップリングがこすれ合い、摩擦を起こすことで電力を発生させています。
しかし、車の外部から入り込んだ砂やほこりがオルタネーターの内部に堆積するとブラシに余計な負荷がかかり、摩耗が加速してオルタネーターの寿命を縮めてしまうことがあるのです。
オルタネーターの寿命を縮める要因④劣化したバッテリーの影響
オルタネーターには、バッテリーが満タンになるまで送電を続ける働きがあります。
仮にバッテリーが壊れ、満タン充電ができなくなっていても電気を送り続けるため、バッテリーの劣化もオルタネーターの寿命を縮める要因となります。
オルタネーターのリビルト品の寿命を長くするには?
他の消耗部品に比べて高価なオルタネーターの交換には、リビルト品を利用しても、小型車・普通車向けの場合でおよそ30,000~70,000円もの費用がかかります。
決して安くない費用をかけて交換するからこそ、オルタネーターのリビルト品はできるだけ長く使い続けたいですよね。
そこで以降は、オルタネーターのリビルト品の寿命を延ばすために車の持ち主ができることをご紹介していきます。
関連記事:「オルタネーターのリビルト品の相場は?交換時の注意点もまとめて解説(※リンク挿入)」
こまめな点検が、オルタネーターのリビルト品の寿命を延ばす
車の持ち主が、オルタネーターのリビルト品の長寿命化のためにできる最善の対策は、こまめな点検を習慣化することです。
耐久性が高く利用年数10年、走行距離10万㎞を超えるまで壊れないとされるオルタネーターですが、リビルト品に換えるなら、急な不具合に備えこまめに点検しておいて損はありません。
こまめな点検と最低限の整備・部品交換を定期的に続け、大規模な故障やトラブルを防ぐことで、オルタネーターの長寿命化と整備費用の削減を達成しましょう。
オルタネーターの点検は整備工場の他、運転者でも可能
普段からタイヤやオイルの点検・交換をお願いしている整備工場やカーショップがあるなら、他の部品と一緒にオルタネーターの状態確認も習慣づけるのがおすすめです。
なお「なかなか整備工場まで行けない」という方には、オルタネーターチェッカーを使ってご自身でオルタネーターの状態を確認する方法もあります。
オルタネーターチェッカーとは、バッテリーとオルタネーターに流れる電力を測定し、正常に働いているかどうかを確認できる検査機のこと。
ホームセンターやインターネット上のショップで1,000円前後から購入可能なので、ご自身での点検をお考えの場合はぜひ活用してください。
オルタネーターのリビルト品の寿命・交換時期の見極め方
厳しい使用環境を避け、こまめな点検を欠かさず行っていても、以下のような異常が生じたときにはオルタネーターのリビルト品が寿命を迎えたと考えられます。
バッテリーの警告灯が点灯する
スピードメーター等、各種計器が配置されている運転席の前方には、複数の警告灯も設置されています。そのうちの一つが、長方形に「+」と「-」のマークがついたバッテリー警告灯です。
このバッテリー警告灯が赤く点灯している際には、オルタネーターを含むバッテリー周辺に何らかの異常が発生しているものと考えられます。
関連記事:「車を構成するパーツとは?代表的な部品の名称・役割を一覧で紹介!」
エンジン付近から変な音がする
ボンネット等、エンジン周辺から以下のような音がする場合は、オルタネーターのいずれかの部品に異常が生じた可能性が高いでしょう。
- ベアリングに異常が起きたことによる「ウィーン」という音
- プーリーやベルトに異常が出たことによる「カラカラ」「カタカタ」という音
- ベルトが滑り、空回りすることによる「キュルキュル」という音
車の電気系統の動作がおかしくなる
以下のような車の電装品の異常は、車内の電気系統に電気を供給するオルタネーターやバッテリーに何らかのトラブルが起きていることを示しています。
- パワーステアリングが弱くなり、急にハンドルが重たくなる
- ヘッドライトや車内灯等の照明が暗くなり、チカチカする
- 出力を上げても、エアコンが効かずオーディオの音も小さい
エンジンの挙動がおかしくなる
以下のようなエンジン挙動の異変も、オルタネーターの故障による電力不足で起こります。
- 車を始動させる時のエンジンのかかりが悪い
- エンジンの吹け上がりが悪くなった
- アイドリング中、勝手にエンジンが停止するようになった
関連記事:「車の部品・消耗品の交換時期は?必要な費用の目安と一緒に解説!」
オルタネーターの故障は、命にかかわる重大な自動車事故をも引き起こす緊急事態です。
上記のような異常が出た場合は速やかにオルタネーターを交換する必要がありますので、ご自身で整備工場へ持っていくか、整備士に相談してください。
また、もし走行中にオルタネーターの故障に見舞われたときは、落ち着いてゆっくりと路肩まで移動してから停車しましょう。これにより、他の車からの接触事故を防ぐことができます。
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