アドブルーの減りが早いのはなぜ?考えられる3つの原因と解決法
ディーゼル車の排気ガスをクリーンにし、燃費向上にも貢献するアドブルーは、一般的に1,000㎞走るごとに1リットル、軽油の消費量に対して3〜5%ほど消費されると言われています。
もし、上記よりも明らかにアドブルーの減りが早い時は、何か原因があるのかもしれません。
そこで今回は、小型・普通車からトラック等の大型車向けまで幅広く車用品を扱う琴平自動車が、アドブルーの減りが早い場合に考えられる原因と解決法について、紹介していきます。
目次
アドブルー(AdBlue)の減りが早い場合の原因3つ
アドブルーは、ディーゼルエンジンの排気経路上に設置した尿素SCRシステム内で排気ガスに噴射され、ガス中の有害物質である窒素酸化物(NOx)を分解・浄化する高品位尿素水です。
また「アドブルー」「AdBlue」は、ドイツ自動車工業会(VDA)の商標登録であり、琴平自動車でもお取り扱いしている製品の一つです。アドブルーという商品名を使用できる高品位尿素水は、原則、ドイツ自動車工業会から認証を受けた製品のみとなります。
そんなアドブルーの減りが異常に早い時の原因としては、主に以下3つのパターンが考えられるでしょう。
原因①車のメーカーや車種、年式によるもの
アドブルーの消費量は、車の種類や年式、製造メーカーにより変わってくることがあります。
そのため、お乗りの車のアドブルー消費量が、必ずしも一般的な消費ペースと一致するとは限りません。また、車の燃費や走行機能に関する技術は日に日に進歩しているため、開発・製造から時間が経った車ほど劣化が進み、アドブルーの燃費も悪くなると考えられます。
後述する2つの原因に心当たりがないのに、ご自身が所有する車のアドブルーの減りが早いと感じる場合は、車そのものの性能や年式が原因である可能性が高いでしょう。
原因②普段の車の使い方、走り方によるもの
アドブルーは、燃料と同じくエンジンを動かす度に少しずつ減っていくものです。そのため、普段から以下のような車の使い方・走り方をしている場合は、そうでない場合に比べ、燃料とアドブルーの減りが早くなると考えられます。
- 走行距離は長くないものの、待機等のためにアイドリングをすることが多い
- エンジンの回転数が安定する高速道路よりも、こまめに停車と発進を繰り返す下道での走行が多い
- 車体が大きい、またはトラック等であるため使用時の積載重量がどうしても大きくなる
関連記事:「トラックのアドブルー消費量目安を紹介!節約や燃費向上のためにできることとは」
原因③車内部の機械的な異常や故障によるもの
車のメーカーや種類・年式の他、普段の使い方にも原因が思い当たらないようなら、アドブルーの噴射に関わるどこかのパーツ、または機能に不具合が起きている可能性があります。
アドブルーの減りが早い時、故障が疑われるパーツは?
車の機構のうち、特にアドブルーの消費に関わる箇所・パーツとしては「アドブルータンク」と「アドブルーポンプ」の2つが挙げられます。
アドブルータンクとは、尿素SCRシステムで使うアドブルーを車載するためのタンクのこと。車内で使用するアドブルーは、原則すべてこのタンクから供給されるため、何らかの理由で破損してしまうと中のアドブルーが漏れ出し、通常よりも早く減っていくようになります。
対してアドブルーポンプとは、上記のタンクからアドブルーを汲み上げる装置のこと。通常、アドブルーポンプはコンピューターによる制御のもと、必要な時だけ稼働してアドブルーを汲み上げる仕組みになっています。
しかし、何らかの理由でアドブルーポンプが故障すると、常時稼働して必要以上のアドブルーを使うようになり、通常ではありえないペースでアドブルーが消費されるようになるのです。
お乗りの車のアドブルーの減りが異常に早くなり、パーツの不具合が原因と考えられる場合には、まず上記いずれかのパーツの故障を疑い、整備士に相談することをおすすめします。
関連記事:「アドブルーとは?尿素SCRシステムの仕組みやディーゼル車での役割と一緒に学ぼう」
【原因別】アドブルーの減りが早い時の解決方法
ここからは考えられる原因別に、アドブルーの消費量を抑えるための対策や解決方法について紹介していきます。
①車の種類や年式が原因の場合の解決法
車そのものの性能や、年式の古さからアドブルーの減りが早くなっていると考えられる場合は、より性能の高い車や年式の新しい車に買い替えるのが、最も効果的な解決策となります。
ただし、尿素SCRシステムを搭載したクリーンディーゼル車の購入には、比較的安価な乗用車タイプの中古車であっても100万円程度の費用が必要です。ご自身にとっての車の必要性や、家庭や仕事の事情等も考慮の上、慎重に検討してください。
②普段の車の使い方が原因の場合の解決法
対して、日ごろの車の使い方・走り方の癖からアドブルーの消費量が増えていると考えられる場合には、以下を参考に習慣を見直し、無理のない範囲で車の使い方を変えてみましょう。
- アイドリングをする時間や回数を減らす
- 走行ルートや下道での走り方を工夫する
- 積載物を見直し、重量の大きな荷物は避ける
なおトラック等の商用車の場合は、車と消耗品であるアドブルーをより効率的に活用するための対策として、会社に待機時間やルート、積載物の変更を提案すると良いかもしれません。
③車の異常や故障が原因の場合の解決法
アドブルータンクやアドブルーポンプ等、各パーツの不具合が原因と考えられる場合は、故障したパーツを交換・修理することで対処します。普段からお付き合いのあるディーラーやカーショップ、整備工場等に点検と修理を依頼して、故障パーツの特定と交換対応をしてもらいましょう。
なおアドブルーのタンクやポンプの交換にかかる費用は、部品代と交換工賃の合計で計算されます。具体的な金額は、車種や修理を請け負う店舗・工場によっても変わってきますが、おおむね10〜20万円くらいと考えておくと良いでしょう。
減ったアドブルーの補充にかかる金額の目安は?
最後に、減ってしまったアドブルーの補充にかかる費用の目安を、琴平自動車でのアドブルー販売価格をもとに確認していきましょう。
琴平自動車では、補充する車種に関わらず10リットルあたり3,000円〜、20リットルあたり4,000円〜アドブルーを販売しております。そして、各車種のアドブルータンクの容量の目安は、それぞれ以下の通りです。
- 乗用車タイプの場合:7~13リットル
- 小型(2t)トラックの場合:15~30リットル
- 中型(4t)トラックの場合:30~40リットル
- 大型(10t)トラックの場合:40~60リットル
上記の価格目安、各車種のタンク容量をもとに、アドブルーが満タンになるまで補充するのに必要な費用を算出すると、以下の一覧のようになります。減りが早いアドブルーの補充費用を確保する上で、ぜひお役立てください。
- 乗用車タイプの場合:1,500~5,000円前後
- 小型(2t)トラックの場合:5,000~10,000円前後
- 中型(4t)トラックの場合:10,000円前後
- 大型(10t)トラックの場合:10,000~15,000円前後
ただし、アドブルーの販売価格は店舗により異なります。上記の金額はあくまで目安と考え、実際に必要となる費用については、アドブルーを購入する店舗に必ず直接ご確認ください。
アドブルー残量がゼロにならないように注意!
尿素SCRを搭載するディーゼル車は、基本的にアドブルーなしではエンジンを動かせない構造になっています。何らかの理由でアドブルーが減り続け、残量がゼロになった時に停止するとアドブルーを補充するまでエンジンの再始動ができなくなるため、注意が必要です。
関連記事:「アドブルーの代わりに水を入れると危険?代替品の使用が車に及ぼす影響・リスクとは」
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